イランが無人偵察機を乗っ取ったと主張

2011.12.6
修正 2011.12.8 06:00

 military.comによれば、イランはアメリカの無人偵察攻撃機を降下させたと発表しましたが、米国防総省はそれを否定しています。

 イランは無人機の写真を提供しませんでしたが、RQ-170「センチネル(Sentinel)」だと確認したと言いました。米当局はイランが無人機を降下させたことを否定しましたが、1週間前に1機が行方不明になったと言いました。「イランが言及する無人機は、先週末にアフガニスタン西部を偵察飛行したアメリカの非武装の偵察機であるかも知れません」とISAF広報部は言いました。「無人機のオペレーターは航空機の制御を失い、その状態を確認するために作業中です」。匿名のイラン軍当局者は、イランのサイバー戦部隊が無人機を乗っ取り、降下させたと言いました。イランが無人機を降下させたと言ったのは初めてではなく、1年近く前にイランは2機の無人機を降下させたと主張しました。この声明を出してから11ヶ月後、イランは無人機を後悔すると言いましたが、彼らがそうしたという徴候はありません。

 military.comによれば、米国防総省は何が行方不明の無人機に起きても、無人機が敵対的な活動によって降下させられた徴候はないと言いました。

 ジョン・カービー海軍大佐(Navy Capt. John Kirby)は、イランの無人機を撃墜したという主張を否定する以上に、行方不明の無人機について詳細は述べられないと言いました。カービー大佐と国防総省報道官、ジョージ・リトル(George Little)はイランの主張については述べず、無人機が行方不明になったことを確認し、それがイランの手に落ちた場合の潜在的な安全上の懸念について話しました。「これは敏感な偵察任務で、我々はこれらの任務について一般的に話しません」とリトルは言いました。「有人無人に関係なく、航空機がある時、それをどこか我々が手に入れられない場所で失うことを我々は常に懸念しています」とカービー大佐は言いました。


 どちらの言い分が正しいのかは確認できませんが、一般論として、イランが無人機を降下させるためにはかなりの技術が必要です。

 まず、無人機のステルス性を打破して、それが飛んでいるいることを突き止めなければなりません。次に、暗号の通信データを解読し、操縦系統に割り込まなければなりません。仮に割り込めたとしても、オペレーターが無人機を操縦して、着陸させなければなりません。これは簡単にできることとは思えません。

 無線に割り込んで墜落させるだけなら、もっと簡単です。イランが無人機を無傷で着陸させたのか、墜落させたのかも不明です。無人機の無線通信の方法がどうなっているか分かりませんし、どうやれば割り込めるのかも不明です。無人機の通信が妨害電波で途絶しない方法が取られているのかは不明です。また、通信途絶の際は、無人機は基地へ帰還するようにプログラムされているとされます。妨害電波では無人機を取り逃がします。

 あるいは、イランは無人機を対空ミサイルで撃墜することに成功し、それをハッキングしたと主張したのでしょうか。とにかく、イランが戦果を主張するには、手に入れたRQ-170を公開することです。それ以外に事実を証明する方法はありません。



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