指導者死去後の北朝鮮軍に動きなし

2011.12.20

 military.comによれば、米国防総省は金正日の死後の出来事を詳しく追跡していますが、北朝鮮軍には目下、挑発的な措置を取っていないと言います。

 「我々は状況をモニターしています。我々は韓国軍の相当部署と接触しています」と匿名を希望した国防総省高官は言いました。「我々は北朝鮮軍に変わった点、現時点で我々に懸念を起こさせるものを何も見ていません」。

 月曜日の短距離ミサイル2基の試験打ち上げは「定期的な予定された発射」であり、指導者の死との関連性を示す物はないと高官は言いました。

 また、朝鮮日報は、北朝鮮が金正日の病理解剖検査で死因が「病理解剖検査で疾病の診断が完全に確定した」と発表したと報じました。これは暗殺という憶測を避け、内部の動揺を防ぐためだとしています。


 北朝鮮軍に動きがないのは当然で、いまは内部の混乱を防ぐのに懸命なのと、北朝鮮軍に指導者の弔い合戦といえるような大きな軍事行動を行う能力がないだからだと考えられます。しかし、アメリカが韓国の情報組織と連絡しているとはいえ、韓国人はこの重要な変化を事前に探知できなかったことを忘れるべきではありません。この発表を鵜呑みにはできないということです。

 ここで不思議なのは、野戦列車で移動中に死亡したのならば、列車は目的地へ行かず、引き返すような動きをしたのではないかとも想像できることです。それを察知できなかったとすれば、本当に金正日が列車で移動していなかったのか、極めて濃密な隠蔽工作が行われたためとしか思えません。たとえば、列車はそのまま走らせ、遺体を車で平壌へ戻すといった工作です。

 あるいは、予定した視察に出かける前に倒れ、隠蔽のために列車は予定通りに走らせたといったことも想定できます。

 こういう機会には様々なデマも飛び交います。それに乗っかるマスコミも出てくるので、情報を注意しながら見ていく必要があります。



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