民間人虐殺のギブス2等軍曹に終身刑

2011.11.13
追加 同日 17:30


 military.comによれば、アフガニスタンで民間人を殺害したとされる事件の主犯、カルビン・ギブス2等軍曹(Staff Sgt. Calvin Gibbs)に終身刑が下りました。

 詳しくはあとで書きたいと思います。ギブス2等軍曹は一連の事件で彼の部隊の12人と共に起訴され、最後に裁判が行われていました。検察官は仮釈放なしの終身刑を求めましたが、判決は仮釈放ありの終身刑でした。彼は9年以内に仮釈放の資格を得られます。

 カルビン・ギブス2等軍曹(Staff Sgt. Calvin Gibbs)は退屈した部下に楽しみのために3人のアフガニスタン人を虐殺することを勧めた件で起訴されました。

 ルイス・マッコード合同基地(Joint Base Lewis-McChord)の軍事法廷の陪審団は木曜日にギブスに終身刑を宣告しましたが、彼は9年以内に仮釈放の権利を得ます。

 26歳の兵士は昨年早くにカンダハル州でパトロールの最中に非武装の男を死なせて起訴された5人の兵士で最高位でした。

 7日間の裁判で、彼は死体の指を切断し、戦利品として、「撃った牡鹿から取った角を保管」するように犠牲者の歯を抜いたことを認めました。しかし、彼は最初と3番目の殺人には関与しておらず、2番目の殺人では撃ち返しただけだと主張しました。

 検察官はギブスと彼の共同被告人は犠牲者が脅威を与えていないことを知っていましたが、彼を戦闘員に見せかけるために死体の横に武器を置きました。共同被告人の3人は有罪を認め、内2人は彼に不利な証言をして、彼が威圧的で血に飢えた指揮官で、ある例では死体で遊び、口をを人形のように動かしたと表現しました。ギブスの弁護士は彼らは自分たちがしたことの責任をギブスになすりつけようとしており、5人の陪審員に事件が「究極的な歩兵の裏切り」を示していると主張しました。

 陪審員はすべての容疑で有罪を宣告する前に4時間討議しました。判決が発表されると、量刑公判はすぐに始まり、検察官のアンドレ・レブランク少佐(Maj. Andre LeBlanc)は彼に最高で仮釈放のない終身刑を求めました。彼は陪審員に、ギブスはアフガン人を守ると思われたのに、任務を傷つけ、アメリカ人の信頼を失わせたと言いました。レブランクはギブスがアフガン人を繰り返して野蛮人と呼んだことを指摘しました。「皆さん、野蛮人はここにいます。ギブス2等軍曹こそ野蛮人です」

 ギブスの弁護士、フィル・スタックハウスは寛大な判決、仮釈放のある終身刑を求めました。

 「彼はあなたたちに彼が人生で誤りを犯したことと、それらについて長い時間考えたことを知ってほしいと思っています」「彼はアフガンにいたのとは同じ人物ではないことを知って欲しいと思っています。彼は妻に自力で息子を育てて欲しくないと思っています」とスタックハウスは言いました。


 以下は大半が過去に報じられたことのまとめなので、省略しました。

 少し軽い感じもしますが、ギブスには一定の懲罰にはなるのかという印象です。彼の主張が正しいかどうかは確認はできませんが、信じられるという印象は持てません。彼は同僚に、イラクで民間人を殺した時に「攻撃を受けた」と主張して上官をごまかしたと述べたという、部下の証言があります。

 スタックハウス弁護士が言うように部下が偽証しているかは、これだけの記事からは分かりません。アメリカの記事は日本の裁判報道に比べると良質ですが、それでもこれだけの裁判を評価するには、やはり傍聴しないと無理です。

 この事件も、ようやく一区切りつきました。今後、何か新しい情報があれば、書きたいと思います。



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