シルトの4分3を暫定政権が占領

2011.10.8


 BBCによれば、リビアのシルトで戦闘が続き、ワガドゥーグー・コンファレンス・センター(the Ouagadougou conference centre)の周辺で銃撃戦が起きています。

 ジョナサン・ヘッド記者(Jonathan Head)は暫定政権軍は街の大半を奪取したものの、激しい抵抗に遭っていると言います。

 ワガドゥーグー・コンファレンス・センターは戦いの焦点になり、その周辺から絶え間ない迫撃砲、機関銃、狙撃手の攻撃があり、暫定政権軍を寄せ付けませんでした。

 救急車はシルトの西にある野戦病院に負傷者を運んでいます。民間人と戦闘員が少なくとも50人負傷しました。金曜日の午後までに少なくとも9体の遺体が野戦病院に運ばれました。

 木曜日、暫定政権軍指揮官、アブデル・サラム・ガダラー大佐(Col Abdel Salam Gadallah)は街の4分の3を奪取したと言いました。「上手く行けば、最大2日間で、シルトすべてを掃討できるでしょう」。


 この記事は昨日の記事の更新版で、目新しい部分を紹介しました。

 コンファレンス・センターの名称が判明し、そこに大半のカダフィ派が立て篭もっていることが分かりました。街の4分の3を占領したのが本当なら、このセンター周辺以外はすでに陥落していることになります。また、カダフィ派がセンターに立て篭もったのは意味がありません。包囲殲滅を招くだけです。すでに事前の砲撃は終わり、地上部隊が接近して攻撃を始めている模様です。巨大で美しい建物と庭園が廃墟となるのは惜しいことですが、施設の多くは破壊されてしまうことでしょう。ガダラー大佐の見通しも概ね性格だと思われます。

 私はカダフィ派は街の全域に防衛線を構築するのかと思っていました。センターに集中したのは失敗だと思います。いずれにしても、多勢に無勢ですから陥落するのは間違いがなかったとしても、後世に残す歴史的事実は変わってしまいます。



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