陸軍士官学校の教会が同性婚を拒否

2011.10.8


 military.comによれば、基地施設で同性の結婚式を行えるという米国防総省の決定に反して、米陸軍士官学校のローマ・カトリック教会は同性の結婚式を行うことを拒否しました。

 現存のローマ・カトリック教区として、ウェストポイント士官学校の至聖三者教会(the Chapel of the Most Holy Trinity)は軍のカトリック大司教区に運営されています。

 大司教区の広報官、テイラー・ヘンリー(Taylor Henry)は「カトリック派の従軍聖職者は同性の結婚式を行いますか?」「答えはノーです。どんな事情があっても、カトリック派の従軍聖職者は同性の結婚式を行いません」と言いました。

 軍隊の大司教、ティモシー・ブログリオ師(Timothy Broglio)は先週、同性の結婚式で教会を使うのは、結婚防衛法(the Defense of Marriage Act)に反するという声明を出しました。「(国防総省が)一方で州と現地の法律に反しない限り、聖職者に個人的な式典に参加できると言い、一方で連邦法については何も言わないのはおかしなことです」。

 同校のプロテスタント派とユダヤ教の教会が同性の結婚式を行えるかという質問に対して、国防総省広報官、ジョージ・ライト(George Wright)は軍施設での結婚式は聖職者の信仰上の教義と個人的な基準に基づいて行われると言いました。

 ヘンリー氏は、他宗教はそうした式典を執り行うかも知れませんが、彼らはカトリック派の聖職者によっては行わず、ウェストポイントの教会では行わないと言いました。

 ウェストポイントのゴシックスタイルの教会は1899年に建設され、1959年に増築されました。それは同校で使われる最も古い教会です。元の学校の教会は1837年に完成し、ウェストポイント墓地に1910年に移設されました。それは葬儀と追悼式のためと、学期中はルーテル派の土曜日の礼拝に使われています。


 最も古い教会がまず同性婚に拒否を示しました。元々、カトリック派は同性婚に否定的で、彼らが拒否するのは、特に不自然なことではありません。プロテスタント派とユダヤ教がどうするのかが気になるところです。

 こうして新しい決定がなされると、次々とそれに関連する決定が続いて発表されます。これらの動きがどう変化していくのかに興味が湧きます。



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