海兵隊1,400人がアフガンへ追加派遣

2011.1.7


 military.comによれば、米国防総省はアフガニスタンに、さらに海兵隊の戦闘部隊1,400人を派遣します。

 国防総省広報官は海兵隊員には現在通知が行われており、数週間の内に派遣されると言いました。ロバート・ゲーツ国防長官(Defense Secretary Robert Gates)は、アフガンへの増派の間にすでになされた成果を強固にし、武装勢力にさらなる圧力を加えることを希望して、水曜日に追加部隊の派遣を承認しました。オバマ大統領が1年前に30,000人の増派を承認したとき、大統領はゲーツ長官にさらに10%にあたる3,000人を必要に応じて派遣する余地を与えました。広報官は1,400人はオバマ大統領が承認した制限内だと述べました。オバマ大統領は7月にアフガンからの撤退を開始する計画です。


 この記事が時事通信の記事では、追加派遣の理由として「春にタリバンの活動が活発化する前に、掃討を徹底するのが狙い」と書かれています。しかし、本来の計画では昨年11月までにはカンダハルの掃討は終わっているはずでした。それが年内にすら終わらず、カンダハル市街地の西端くらいまでしか進出できていないらしいという報道しかなされていません。先日、主力戦車M1エイブラムスが投入されることが決まったと報じられていました。通知から派遣までの期間が非常に短いことから、これは計画的な派遣ではなく、臨機的なものであることが推測されます。通常のローテーションによる派遣の場合、もっと前に部隊名が公表されます。

 時事通信が書いた派遣理由では、あたかも計画的な派遣であるかのように受け取れますが、実態はそうではありません。タリバンの活動が停滞する冬ですら、米軍はカンダハルを掃討できていないのです。掃討がうまく行かないので、とりあえず認められている3,000人の半数、先日派遣が発表された戦車部隊と今回の1,400人を合わせて約1,500人を派遣しようということです。それでも駄目なら、さらに1,500人を派遣することになります。

 これは明らかに戦況が悪いことを示す材料です。



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