ホィーラー殺人事件は未だ情報不足

2011.1.19


 military.comによれば、ニューイヤーズイブに遺体で発見された著名な元陸軍将校ジョン・“ジャック”・P・ホィーラー三世(John "Jack" P. Wheeler 3d)について、デラウェア警察は未だほとんど詳細を発表せず、様々な陰謀論が飛び交っているようです。

 事件は殺人とされましたが、警察は原因をあげておらず、ホィーラー氏が薬物投与を受けたのか、撃たれたのか、殴打されたのか、刺されたのかについて疑問があがっています。警察筋の新しい情報は、ホィーラー氏が治療用あるいは精神状態ようのある種の薬物を飲むのを止めたかも知れないことを示唆しました。

 インターネットで広まる陰謀論者たちは、ホィーラーが政府出資の国防企業ミトレ社(Mitre Corp.)に雇われていたことに集中します。国家機密へのアクセスが、彼をアーカンサス州での鳥の死亡とラテンアメリカのスパイ活動を含む政府が隠蔽しようとする事柄についての潜在的な告発者にしたと指摘します。

 ニューアーク市警察広報官のマーク・A・ファラル警部補(Lt. Mark A. Farrall)は、捜査官がより多くの情報を持ち、それを共有しないのを選んだのか、手がかりが不足しているのかを言うのを辞退しました。「捜査官はまだ手がかりを探し、聞き込みを行っています」「彼らが進展を見たかどうか、私は知りません」。調査は、12月31日午前9時56分にウィルミントン警察が、死体がウェイスト・マネジメント社(Waste Management Inc.)の清掃トラックから投げ下ろされたという通報のために、チェリー島の埋め立て地に呼ばれたときに始まりました。毒物学的な報告とその他の法医学的な作業が完了するまで、公式な死因は発表されないと検屍官の広報官は言いました。ファラル警部補は捜査官がゴミ回収トラックがニューアーク市で10回の積み込みを行ったことを断定し、トラックの中のホィーラーの死体の位置は、ルートの初期で積み込まれたことを示していたと言いました。

 警察はホィーラー氏がワシントン郊外にあるミトレ社でのコンサルタントのために、12月28日にウィルミントン停止駅までアムトラックの列車に乗る予定だったと言いました。ファレル警部補は警察はホィーラー氏が列車に乗ったかどうかを確認していないと言いました。「我々は彼が(ウィルミントンに)戻ったことを知っています」とファレル警部補は言いました。

 彼の学友は、警察がホィーラー氏を12月28日夜の放火未遂事件と関連づけているという法執行機関筋の報告に驚かされたと言いました。ホィーラー氏の猛烈な意見は時々、人々を怒らせたものの、彼は法律を守ることにうるさい人でした。

 ホィーラー氏は歴史的な地域で彼の家の真向かいでの大型家屋の建設を巡り、4年間の隣人との法廷闘争に巻き込まれていました。警察は未完成の家で発煙装置が作動したと言いました。彼らは公式にはホィーラー氏がこの犯罪につながっていたと言っていません。12月29日、目撃者はウィルミントンの駐車場でホィーラー氏を見たと報告しました。車庫のビデオはホィーラー氏が目的もなくぶらついて、時々興奮するように見えるのを捉えました。ホィーラー氏は襲撃されたが、警察を呼ぶのは望まないと数人の車庫の人々に言いました。彼は自分の車を探していると言いました。警察は鉄道駅の向かいの車庫に半マイル離れて駐車していたと言いました。12月30日に、警察はヌムール・ビル(the Nemours Building)から撮った監視ビデオは、駐車場から約6ブロックにいて、別の服を着て未だに混乱したように見えるホィーラー氏を示しました。

 ウェストポイント士官学校の同級生(何人かはビデオを見ました)は、彼らはホィーラー氏の障害の原因となったかも知れない既存の病状を知らないと言いました。ホィーラー氏と長年付き合った友人たちは別の見解です。彼らは彼の1番目と2番目の妻は時々、彼に薬を飲むように思い出させていて、彼らは何の薬かは知らないと言いました。友人や同級生はホィーラー氏のビデオの中での方向を見失っているように見えるのは、彼らしくなく、医学上の問題を示唆することに同意しました。


 事件の真相に関連する部分だけを訳出しました。この事件は先に紹介しています。(過去の記事はこちら

 高名な元陸軍将校が埋め立て地で発見されるという衝撃的な事件でした。陰謀も考えられますが、それにしては手口が荒っぽすぎます。インターネットで広まっているという陰謀論は考察に値しません。

 前回は列車に乗っているホィーラー氏を見た人がいると報じられました。今回の記事では警察は確認していないとしています。

 隣人とのトラブルは有力な情報ですが、駐車場の監視カメラで見るホィーラー氏とは関連がないように思われます。何らかの健康上のトラブルがあって、彼は車を停めた場所が分からなくなった可能性があります。襲撃が本当にあったかどうかは疑問もあります。健康上のトラブルで襲撃を受けたと錯覚したのかも知れません。こうして歩き回っている最中に強盗のような犯罪にあって殺害された可能性が出てきたと考えます。しかし、検死結果が発表されていないので、真相はまったく違うところにあるかも知れません。検死は普通、こんなに時間はかかりません。おそらく、病気の痕跡を確認するために慎重に作業を行っているのだと考えます。

 次は検死結果について報道があるはずです。多分、それで大凡の真相が分かることでしょう。



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