カンダハル掃討はマルジャ戦の二の舞?

2010.9.9

 military.comによれば、NATO軍が主導する連合軍はカンダハル市周辺に数の優勢を確立し、11月末までに武装勢力を掃討できる見込みです。

 しかし、ニック・カーター少将(Maj. Gen. Nick Carter)は、作戦は成功するだろうけど、アフガン政府が長期間の治安を提供できるかに依存していると言いました。「これらは時間がかかります。あなたが(政府に)時間を与えれば、最終的な勝利を収める、のるかそるかのチャンスがあるでしょう」。カンダハル市は50万人の人口があり、後背地には別の50万人が住んでいます。カーター少将は、5,000人のアフガン警察と10,000〜12,000人のアフガン軍が、約15,000人の国際部隊と共にあり、約1,000人のゲリラと相対していると言います。連合軍はザリ(Zhari)とパンジャイ(Panjwai)と1号線に沿って、タリバンを掃討しています。


 カーター少将の意見を意訳すれば「11月までに連合軍はタリバンを掃討するけど、アフガン政府の怠慢で、作戦は最終的に失敗する」ということです。カーター少将が「sporting chance(のるかそるかのチャンス)」という言葉を用いたことは、この戦いがかなり絶望的だということを示しています。

 つまり、マルジャ戦で見られた失敗が再び繰り返されるという見通しです。

 30対1の兵数比を確立しても戦いに勝てない場合があることを、我々は記憶しておくべきです。記事は「NATOが兵数の優勢を達成した」とうたっていますが、逆に皮肉に聞こえます。

 西欧社会はいつまで、こんなデタラメな軍事作戦を続けるつもりなのでしょうか?。自衛隊の諸君は、こんなおかしな世界に取って代わって、平和を達成する軍事活動の可能性を探ってみたいと思わないでしょうか?。もはや西欧が先進しているという信仰は捨てるべきです。世界のレベルはこの程度です。某新聞は、日本にそんな世界の後を追いかけろと主張していますが、そんなのは無視してください。平和国家の日本が、まったく違う、新しい平和のための軍事活動を模索し、世界に示してみてはどうかと思うのです。



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