被告の1人が海賊行為を認める

2010.8.29

 military.comによれば、4月に米海軍の強襲揚陸艦アシュランドを攻撃したことで起訴されている海賊の1人、ジャマ・アイドル・イブラヒム(Jama Idle Ibrahim)が、ジャクソン判事が認めた7つの罪の内3つの罪を認めました。

 イブラヒムは、「船を略奪する目的で攻撃した罪」「船上にいる人に対する暴力行為を実行した罪、」「暴力犯罪中で火器を使用した罪」を認めました。検察官はイブラヒムが認めた罪が海賊罪になると主張しています。イブラヒムは最低10年の禁固刑から終身刑に直面しています。彼は6人の被告で最初に有罪を申し立て、判決は11月29日の予定です。

 弁護人事務所から出された発表によると、6人の被告は海賊行為を使用としていたことを認めています。イブラヒムらはアデン湾を航海する商船を略奪して、身代金目当てに乗員と積載物を確保するつもりでした。彼らはアシュランドを商船と誤認して追跡し、並んだときに船と船上の乗員に対して発砲を始めました。


 アシュランド事件の海賊罪棄却に関して、続きを書くのが遅れています。その間に、事件に進展があったので紹介します。

 レイモンド・A・ジャクソン判事が海賊罪を認めなかったので、被告は残された7つの罪について有罪無罪を回答すればよかったわけです。しかし、イブラヒム被告は、被告ら全員で海賊行為を行おうとしたことを認めました。ジャクソン判事が海賊罪を棄却したのは誤りだったように思えるかも知れません。

 ですが、被告が罪を認めても、法律家の間で海賊罪に議論がある以上、被告が海賊罪が何であるかを正しく判断して回答したとはみなされず、海賊罪で有罪にしても上訴審でひっくり返ることになります。

 また、有罪の場合、最低10年は刑務所暮らしですから、海賊罪がなくても、十分に重たい罰則を与えられることも分かります。


 

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