PTSDの申告が簡略化へ

2010.7.12


 military.comによれば、バラク・オバマ大統領は、 心的外傷後ストレス障害(PTSD)で苦しむ帰還兵が、治療と補償の論拠を述べるのを、より簡単にする計画を発表する予定です。

 オバマ大統領は毎週行う演説の中で、次のように述べました。

「長いこと、給付金を得ようとするPTSDを患う帰還兵の多く、今日の戦争とかつての戦争の帰還兵たちは、しばしば彼ら自身が妨害されているのに気がつきました」
「彼らはPTSDを生じた特別な出来事を証明する証拠を提出するよう求められてきました。そして、この習慣は、非戦闘の役割を務めた者から戦争を遂行した者まで、PTSDを患う彼らの大多数が、彼らが必要とする治療を受けることから拒み続けました。
「私は戦場にいる私たちの兵士が主張の妥当性を維持するために記録をつけるべきだとは思いません」
「そして私は、戦争のトラウマを認めるための銃撃戦を戦ってはいけないことを知るのに十分なだけの帰還兵に会いました」
「十年間の多くで、我々の軍服を着た男女たちは、遠く危険な場所での何度もの派遣に耐えました」
「多くの者が命を賭けました。多くの者が命を捧げました。そして、彼らの軍務に恐縮し、恩を感じる国家として、我々はアメリカの英雄たちと彼らの家族を深く讃えずにはいられません。私たちには、彼らを危険な手段へ送り込む前に、我々の軍隊を訓練し、装備をする重い責任があります。同時に、私たちには、帰還兵と負傷した戦士たちに、彼らが帰国したときに受け取る治療と給付金を与える重い責任があります」


 PTSDの申告を簡単にする対策は去年も行われました。(military.comの記事はこちら)。当時は戦闘やテロなどの具体的なストレスの原因を確認しないとPTSDと認められなかったのですが、患者の記憶や症状が確認できるだけでよいことになったのです。洗浄で起きたことを、あとで本当に存在したかどうかを判断するのは難しいことから、これはPTSDと認定される可能性を増やしたことでしょう。しかし、それでも扱いきれないケースがあるので、今回、さらに改善されたようです。詳細は後で発表されるのでしょうが、これはPTSDの異常な拡大で米軍が苦闘していることを暗示しています。

 外科的な負傷と違い、PTSDは医師が症状を確認できない場合が多いのです。患者と会うのは病院や診療所ですし、患者の症状は、自宅で寝ているときに悪夢を見るとか、外出中に大きな音を聞いたときなどにしか現れません。患者が不眠症で目に見えてやつれているのなら診断は簡単です。一方で、PTSDでない者が、症状を詐称して給付金を受け取る事件も起きており、その見極めをどうするかが問題視されています。


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