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無人攻撃機による殺害にもルールあり

2010.6.3

 military.comが、国連の人権問題専門家が無人攻撃機によって死者を出すことは戦争犯罪になる場合があると主張したと報じました。

 政府はテロ容疑者や武装勢力を殺害する方法を、特に無人攻撃機を使うときは、戦争犯罪になることがあるので、明らかにしなければなりません。法的に認められない殺害に関する独立した国連調査員フィリップ・アルストン(Philip Alston)は、国連人権評議会への29ページのレポートで、国家は目標とされた殺害を実行するとき、ルールと予防手段を設け、民間人の被害を公表し、容疑者を目標を殺さずに逮捕したり無力化しようとしたかを証明するよう要請しました。


 時間がないので簡単に書きます。先日、CIAが行う無人攻撃機による攻撃は国際法違反だという記事を紹介しました。この記事は軍隊が行う場合についても、やり方によっては国際法違反となると論じています。このレポートは国連のサイトにアップロードされているかも知れないので、あとで探してみたいと思います。

 レポートを読まない段階でコメントしますが、この意見で興味深いのは、単に民間人への被害を防げというだけでなく、それしか方法がなかったことを証明する必要を求めている点です。これは先制攻撃が認められる条件の一つです。アルストン氏は、無人攻撃機による暗殺は先制攻撃の一種とみなしているのかも知れません。つまり、彼が言うルールは、もっぱら現在の対テロ戦に関してであり、正規軍同士の作戦で軍事目標を攻撃する場合とは別だということになりそうです。

 その他の気になる記事を紹介だけしておきます。

  • パキスタンでのアルカイダや武装勢力への攻撃には、限られた選択肢しかない。(記事はこちら
  • カブールでの和平会議をタリバンが攻撃。(記事はこちら
  • ドイツで第二次世界大戦時の500kg爆弾の処理に失敗。3人死亡。(記事はこちら


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