G8でロシアが北朝鮮非難に賛成

2010.6.29

 G8首脳会議で、哨戒艦「天安」沈没事件に関して、北朝鮮を非難する共同声明を発表しましたが、完全に意見が一致したわけではないようです。

 朝鮮日報に28日に掲載された「哨戒艦沈没:G8首脳会議で対北非難声明を発表」という記事には、日本政府関係者の話として、ロシアが唯一、直接的な表現に反対をしたと書かれています。匿名のロシア政府関係者は「天安沈没事件の調査結果については、まだ最終的なものと見なしていない。このような状況で北朝鮮を非難するのは、否定的な結果をもたらす可能性がある」という考えを示しました。


 ロシアが共同声明に賛成したことは、ロシアが調査を完了した上で回答したのかどうかという疑問を生んだと、私は考えていました。どうやら、まだ最終的な報告はまとまっていないようです。しかし、中間報告は出ていて、それは北朝鮮が実行犯だという結論だったと考えられます。そうでなければ、ロシアが賛成するはずはありません。前に書いたように、ロシアの目的は、最初に調査団に加えられなかったことから、最も精密な調査を行って、自国の存在感を示すことです。そこで、まだ最終的な報告書が完成していないと主張したのです。ロシアが合同調査団の報告書に反論するとしても、それは部分的なものに限られるでしょう。全面的に合同調査団の報告書に反論するのなら、採決で反対するでしょう。反対意見は議事録に書いてもらうため、記録に残すために行われたのです。

 この採決でロシアの調査の概要も推定できました。ロシアは当初から指摘してきた方向で動いているようです。中国はいまだに問題を避け続けており、オバマ大統領が「見てみぬふり」と「自制」は別だというコメントを出しています。先の記事には、ジョン・マケイン上院議員が抗議の書簡を送ったと書かれています。「中国政府は、天安の沈没原因について合同調査団の調査結果に対するブリーフィングの提案を今も拒絶しているが、これには驚愕の思いを禁じ得ない」「国連安保理が北朝鮮を糾弾する決議案や議長声明を採択することに対しても、中国の代表がこれを阻止している」。中国は最後まで、この問題を避け続けるでしょう。



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