NATOがアフガンの夜襲を制限

2010.3.1


 military.comによれば、マルジャ戦はほぼ完了し、マルジャ中央部の海兵隊とアフガニスタン軍はタリバンの拠点の北端で米陸軍のストライカー大隊と合流し、包囲地帯の掃討を終えました。

 連合軍はほとんど攻撃に遭遇せず、これは武装勢力が逃げたか、地元の住民に溶け込んだことを示しています。攻撃はこの4〜5日で劇的に減少し、IEDと武器の隠し場所に遭遇するだけです。土曜日に海兵隊の車列が大型の道路爆弾で攻撃されましたが、負傷者はいませんでした。一部のタリバン戦闘員はマルジャの西に残存するとみられます。海兵隊の広報官は、少なくともさらに2週間は断続的な攻撃があると警告しました。

 spacewar.comによれば、アフガンのNATO軍指揮官スタンリー・マクリスタル大将(General Stanely McChrystal)は、民間のアフガン人を遠ざけるのを避けるために、夜襲を制限するように命令しました。匿名が条件の国防当局者は「古い敵を捕まえながら、新しい敵を作らないことが大事です」と語りました。別の当局者は、ドアをノックするのはアフガン兵に任せ、米兵は実力行使が必要になったときに主導権を握るのが望ましいとします。武装勢力の虚を突くため、NATOが主導する軍隊は、暗視装置を使い、夕暮れ後に作戦を行います。しかし、女性を人々の視線から遠ざける文化の中では、夜襲は民家人と緊張を引き起こします。また、夜襲は間違った情報に基づいており、無辜の民間人の拘束をもたらし、広く反感を買っています。

 やってることが遅すぎるというのが、私の感想です。間違った情報に基づいて攻撃を行い、悲惨で必要のない犠牲を出すのは、国連主導の軍隊がこれまでに繰り返し行ってきたことです。特に、ソマリアでそれをやって、地元住民から反発を招きましたし、味方になろうとした族長たちを多数殺害したり、国連職員を間違って逮捕したりしました。イラクでも繰り返し、ほとんど数限りなく、似たようなことをやって来ました。そうした失敗を省みれば、今ごろ、こんな命令を出しているのでは、どうしようもありません。というわけで、これ以上のコメントはありません。

 マルジャ戦の成功は、行政サービスの復活にかかってきました。これで住民がタリバンからアフガン政府へ立場を変えるかは難しいものの、まずは活動を見守ることです。


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