国際刑事裁判所が延坪島砲撃事件等を調査

2010.12.7

 金正日と金正恩が戦争犯罪人になる可能性が出てきました。国際刑事裁判所(ICC)が延坪島砲撃事件と3月の哨戒艦沈没事件に関して、戦争犯罪になるかを調査しています。

 これは予備調査で、戦争犯罪に該当するかどうかを調べているということです。ICCは誰が申し立てを行ったのかを明らかにしていません。

 それから、6日の韓国軍の実弾射撃訓練は、大青島では行われませんでした。また、一部の訓練が海が荒れているという理由で午前中から一斉に行う予定が、昼前に変更になりました。


 国際刑事裁判所はまだ実験的な意味合いが強く、本格的に稼働しているとは言えません。しかし、この事件を取り扱うことは重要です。

 国家の権限が強すぎる現在においては、国際的に司法のルールを確立するのは難しいのです。国家が報復や敵の殲滅などのすべてを担っているため、公正であるべき司法を国際的に運用するのは難しいのです。アメリカですら、自分が攻撃されると不法な拷問を大統領が承認する始末です。他の国はもっとひどく、常に国家の利益を優先する国すらあります。しかし、これこそ世界が真剣に取り組むべき問題です。

 日本が平和国家だというのなら、こうした活動を支援し、知識を持つ者を養成する必要があります。残念ながら、政界にこういう人が少なく、メディア上を見てもほとんど見当たらないのが現状です。今後、北朝鮮が起こした2件の事件を国際法でどう対処できるかについて、私も考えていきたいと思います。

 韓国軍の訓練中止はどうも強風が原因のようです。大青島の天候データは入手できませんでしたが、90km東にある北朝鮮の海州市の気象データを見てみました。最高気温が3度、最低気温が−2度。降水量が0m。風速が平均13km/h、最高25km/h。視程13.2km。風が台風並であることが分かります。北朝鮮に不穏な動きがあって中止したのかとも考えましたが、そうではなさそうです。

 風のためか、北朝鮮軍にも動きはありませんでした。今後どうなるかは不透明ですが、政治的な理由からも、北朝鮮軍は当面は動かないでしょう。当面は核開発がらみの恫喝、春になってからのテポドン2号打ち上げなどを行うと考えられます。テポドン2号は西岸の東倉洞(トンチャンドン)発射基地が用いられると予測されます。



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