アサンジ氏に米軍筋から死の脅迫

2010.12.22

 military.comによれば、WikiLeaksの創設者ジュリアン・アサンジ(Julian Assange)は米軍から殺すと脅迫を受けているといいます。

 スペインの「El Pais」が行った自宅監禁先でのインタビューで、アサンジ氏は「私は殺すという脅迫を常に受けてい。私の弁護士がそれらを受け取っています。私の息子がそれらを受け取っています。それらの多くは米軍の隊員が出したとみられます」と言いました。(「El Pais」英語版の記事はこちら

 ソフトウェア会社で働くアサンジの息子ダニエル(20歳)はオーストラリアに隠れているとされます。アサンジ氏は「私は強い覚悟でいます。私は、特に南アメリカとオーストラリア、誰もがどこででも我々を支援しているかのように、国際的規模での支援を受けているのを見てきました」と言いました。彼は警察は保釈後に彼が暗殺されるのを恐れていると言いました。アサンジ氏はロンドンのウォンズワース刑務所の性犯罪、子殺しで有罪判決を受けた人々を収容する棟に監禁されたと言いました。「そこには一晩中、彼らの犯罪を叫び続けた異常な小児性愛者がいました」と彼は言いました。しかし、彼は彼を支援した看守たちがおり、1人は彼に「私には、この世界で2人のヒーローがいます。マーチン・ルーサー・キングとあなたです」と書いたカードをくれました。


 米軍の隊員がそうした手紙を書いても、特に不思議はありません。military.comの掲示板を見ていると違和感がないからです。もっとも、それらの中には米軍を名乗った偽物もいることでしょう。その方がもっともらしく、アサンジ氏に恐怖を与えられるからです。

 WikiLeaksの活動は評価するものの、疑問も感じています。生のデータは研究者やメディアだけに公開し、第三者に被害が及ぶのを阻止する方法もあるように思われるからです。WikiLeaksが公開したデータは膨大で、団体でなければ活用できないほど多いのです。しかし、公開の範囲を限定することで、本来の目的を達せないという問題もあります。

 また、アサンジ氏にかけられている強姦容疑は一種の美人局である可能性を私は疑っています。治安機関が危険視したり、情報源として取り込みたい人物がいるとき、美人局はよく使われる手段といわれます。つまり、特定の女性と対象者に性的な関係を持たせて証拠をつかみ、自分たちの要求を受け入れさせるのです。アサンジ氏については手放しの称賛も批判もできないと、私は考えています。WikiLeaksは歴史を変えるような活動をする可能性もありますし、その反対もあり得ます。これは慎重に判断していく必要があります。



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