上院が同性愛差別撤廃を可決

2010.12.20

 ようやく、米上院が同性愛者の軍務を認める採決を行いました。

 military.comの記事は試験的な投票で「63対33」だったと報じていますが、時事通信社の記事では本投票は「65対31」だったと書いています。2人が賛成に鞍替えしたのです。すでに可決している下院では「250対174」でした。

 記事の多くはこれまでの経緯のまとめなので省略し、試験的投票の後で出されたオバマ大統領の声明を掲載します。

 今日、上院は我々の国家安全保障の基盤を壊す、我々の勇敢な男女が防衛のために命を危険にさらすという大変な理想を法に違反させる政策の終焉に向けた歴史的なステップを踏みました。「聞かない・言わない政策」の終焉により、もはや我が国は大勢の愛国的なアメリカ人が、他の模範となる能力にも関わらず、彼らが同性愛者であるのが発覚したために軍を去ることを強いられるのを否定するでしょう。また、もっと大勢の者たちは、もはや彼らが愛する国に貢献するために偽りの生活をするのを求められないでしょう。

 最高司令官として、私はこの変化が我が国のプロフェッショナリズムを、世界がかつて見たことのない最もよく統率され、最もよく訓練された軍隊として強調するという絶対的な確信もありました。そして、私は我軍の戦力と迅速性を確保しながら、我々が責任をもって新しい政策へ移行するのを確信することにおいて、国防長官と統合幕僚会議議長、国防総省に要請された圧倒的多数の軍人たちとと結びつきました。

 私はリード多数党院内総務、リーバーマン及びコリンズ上院議員、そしてこれをなすために激務をこなした数えられないその他の人々に感謝します。我々の歴史の中でこの章を終わらせる時です。自己犠牲、武勇、そして高潔はもはや、人種、性別、宗教、信条による以上に、性的指向によって定義されないことを認める時です。ゲイとレズビアンのアメリカ人が公に彼らの祖国に奉仕するのを認める時です。私は上院にこの法案を私が署名して法律化できるように私のデスクに送るよう要請します。

 military.comの別の記事は、大統領が法案に証明した後は、国防総省は直ちに必要な計画を実行に移すものの、実際に新しい政策が実施されるまでは、現行の法律と方針は残るという軍トップの見解を報じています。


 先日の上院での否決は形ばかりの抵抗だったようです。時代はすでに差別撤廃の方向に動き出し、止められなくなっていました。いよいよ新しい時代が始まります。どのような変化が米軍に生まれ、それが世界にどう波及していくかと思うと、わくわくします。

 次なる関心はどれだけ多くの事柄で、ノーマルの隊員と福利厚生で平等にするかです。細かい話になると、大統領の手を離れ、国防総省で決定されます。そこにはゲーツ国防長官がおり、しっかり監督してくれるものと思われますが、彼も末端での対応までは目が行き届きません。今後、様々な問題が起きてくるはずで、そこに注目していきたいと思います。

 話は変わりますが、韓国軍は今日、延坪島での砲撃訓練を行う予定です。北朝鮮の反応については依然として、18日にここで指摘したとおりで変化はありません。何か変化が起きれば記事を掲載しますが、今日は午後10時以降になる予定です。



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