捜査の遅さに、なぜか怒らない国民

2010.11.12

 中国漁船衝突事件について、警察と検察の捜査の速度が遅いと感じている人はいないでしょうか?

 海保内のネットで閲覧できたとの供述が得られたのなら、海保長官がすぐに各管区のネットの管理状況を報告させて警察に提出するとか、警察や検察が令状を取り、海保のネットワークをもう一度家宅捜索するなりすべきです。全国の海保では、どのような状況だったのかも、全国的な捜査を行うべきです。いや、捜査は行っているけども、発表を控えているのかも知れません。

 対象が明確なのだから、この捜査はそれほど難しいものではないはずです。海保のネットワークの使用法は書面であるはずですし、管理者は各部署ごとにいるのですから、マニュアル通りに運営していたのかを含めて、聞き取り調査や実際に捜査するところを見せてもらうなどの調査が考えられます。

 警察・検察は海保と日常的に協力関係にあります。その組織を捜査対象に置くのはやりにくいのと感じているのではないかと思われます。下手すると、上層部に処分が及ぶ可能性もあります。ネットワークの管理がずさんで、パスワードを設定すべき情報に設定していなかったことが明らかになれば、処分が海保庁の上層部や国土交通省に及ぶ可能性が出てきます。そこで、十分に摺り合わせをしてからでないと、うかつに発表できないと捜査当局は考えているのかも知れません。

 これが一般の刑事事件なら、大したことない証拠まで得意げに発表したり、マスコミにもったいつけてリークしたりするのが捜査当局のやり方です。今回の事件に関しては、それがあまりにも遅く、少なすぎます。

 しかし国民から、いつも通りに早くやれという怒りの声は聞こえてきません。マスコミが、この点を指摘しないからです。海保のネットワークに関する説明が実態と違っていたことが、無用な謎を生んだ原因でした。省庁の発表を鵜呑みにして発表するだけの取材方針が、こういう失敗を生んだのです。私を含めて、国民がもっと疑問を投げかけるようにしなければいけないと痛感しました。



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