ロンドン会議の成果は資金提供だけ

2010.1.30

 military.comによると、ロンドンで開催されたアフガニスタン復興に関する国際会議は、ハミド・カルザイ大統領のタリバンとの和解を支持しました。

 カルザイは70ヶ国と国連に、タリバン戦士に住居や警察、軍隊、農業の仕事を与えて、社会の主流に統合させる計画を支持するよう依頼しました。国際社会は少なくとも5億ドルの和解資金を提供しました。潘基文(バン・ギムン)国連事務総長とアナス・フォー・ラスムセンNATO事務総長(NATO chief Anders Fogh Rasmussen)は、2010年内にいくつかの州の治安を地方警察とアフガン軍に譲渡することを希望しています。カルザイ大統領は2015年までに34州すべての治安を統制するアフガン政府を心に描いていますが、外国の軍隊は10年間駐留することを望んでいると言いました。BBCの合同インタビューでカルザイ大統領は「アフガン軍を訓練し、装備するのに10〜15年あれば十分です。アフガンが我が軍に予算を提供できるようになるまで彼らを支えるのに、時間は10〜15年まで拡張されるでしょう」と述べました。タリバンはカルザイ大統領の和解計画を却下し、彼らのウェブサイトにタリバン戦士は経済的な利益で動かないと声明しました。国連は和解への努力を支持し、指導者ムラー・ムハマド・オマルの元親友を含む5人の名前を制裁リストから削除しました。カルザイはもっと多くの名前が削除されることを望んでいます。

 カルザイ大統領はそれほど詳しい計画を説明せず、1日だけの会議は経済的支援を決めて散開したようです。まあ、この程度の代物だろうということは、何となく予感できました。どの国も、アフガン戦略を一から見直そうとはしません。最初から間違っていたことは明らかなのに、誰もそれを指摘しないのです。「10〜15年」という年数は、「とりあえず無期を宣言するのと同じです」。締め切りの日が来たら、「あと5年」と先延ばしにできる曖昧な数字です。こんな弱い和解計画にタリバンが飛びつくかどうか。私たちはじっくりと観察すべきなのです。


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