アフガンの米大使館でスキャンダル発覚

2009.9.5



 military.comによると、アフガニスタンのアメリカ大使館で重大なスキャンダルが発覚しました。独立系監視グループ「The Project on Government Oversight」が、アフガンのキャンプ・サリバン(Camp Sullivan)にある居住区域で、米大使館を警護する民間軍事会社「ArmorGroup North America」の社員が猥褻な行為と性的不品行を行っていることを暴いたのです。

 POGOはAGNAに雇われている警備員が上司から虐待を受けていると告発しました。キャンプ・サリバンでは飲酒が禁止されていますが、基地内で行われた酒席で参加者が裸になっている様々な写真が公表されました。少なくとも1件では、上司は居住区に売春婦を連れ込みました。別の例では、上司はアフガン人に酒を飲ませるような、イスラム教が禁じる行為をさせました。大使館は対策をとり、警備員を監視する要員を雇いました。大使館の警備員は約450人いて、1,000人のスタッフが勤務する大使館のゲート、道路、周囲を警備し、来訪者を取り調べます。さらに、別の記事によれば、米大使館は8人の警備員を解雇し、2人は辞職しました。これらの10人はすべてが写真に写っていた者たちです。警備員の3分の2はネパールと北インドから来たグルカ人で、英語はあまり話せず、コミュニケーションはパントマイムによっています。

 またもや民間軍事会社によるスキャンダルです。この事件はあまりにも低劣でコメントにも値しません。これが対テロ戦争の実態とは。POGOはヒラリー・クリントン国務長官あてに告発の報告書を郵送し、それによって事件が明るみに出たようです(報告書はこちら)。報告書には問題点が具体的に報告されています。問題の写真を掲載した記事もあります(記事はこちら)。報告書はかなりの分量があるので、事件の内容については、POGOの報告をさらに詳しく読んで、さらに検討してみたいと思います。グルカ人の兵士はイギリス軍で傭兵部隊として活躍している実績があるので、コミュニケーションの問題があるかどうかは検討の余地がありそうです。それから、売春婦がどのようなルートで基地内に入ったかも気になります。おそらく、アフガン人ではなく、民間軍事会社の航空機で海外からパスポートもなしで基地内に入った外国人だろうと想像します。身内感覚で、米軍も民間軍事会社に対して細かなチェックはしていないはずです。それにしても、アメリカのNGOの活動には脱帽です。下手なマスコミよりもよほど有能です。日本のマスコミは、対テロ戦で起きた事件の一部しか報じてきませんでした。そうした事実を知らない日本国民がうかつにも対テロ戦を支持し続けてきた経緯を考えると、報じることの重要性を感じずにはいられません。


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