米軍が飛行船型偵察機を開発中

2009.9.29



 military.comによれば、米軍は長航続時間総合情報機(the Long Endurance Multi-Intelligence Vehicle: LEMV)を年末までに完成することを計画しています。

 LEMVは飛行船に監視装置を取り付けた無人機で、3週間飛行したまま偵察活動を行えます。この偵察兵器は2010年度予算で9千万ドルを割り当てられ、18ヶ月以内にアフガニスタンに配備する契約が結ばれました。機は15ヶ月以内に飛び立ち、2011年半ばまでにアフガンに配備される見込みです。LEMVは全長が250フィート(76.2m)で、高度20,000フィート(6,096m)を、2,500ポンド(1,134kg)の荷物を積んだまま、21日間飛行できます。マルチカメラ広域空中偵察(WAAS)センサーか地上移動標的識別(GMTI)レーダーと通信傍受システムと電子・光学式赤外線(EO/IR)センサーを搭載しています。

 飛行船型の偵察機を使う理由は一つしか考えられません。グローバルホークのような高額の無人偵察機ではない、安価に運用できる偵察機が必要になったのです。飛行船を使うことに、特に技術的な理由があるとは思えません。米軍も金をかけずに戦争をしようと考えるようになったわけです。目新しく思えても、経済的な理由くらいしか利点はなく、新しくできることが増えるわけではありません。気球は古くから偵察用に用いられてきたことも、理由の1つです。


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