ソマリアで謎の戦闘集団が急襲

2009.9.15



 ソマリアで奇怪な事件が起こりました。military.comによれば、月曜日に首都モガディシュ(Mogadishu)から南へ250kmにあるバラウイ(Barawe)近くの村にヘリコプター6機が飛来して、攻撃を行いました。

 バラウイはアルカイダと関係があるとみられる武装勢力「アル・シャバブ(Al-Shabab)」が支配しています。ヘリコプター2機が1台の車を機銃で掃射して炎上させ、2人が死亡、2人が負傷しました。ヘリコプターから軍服を着た白人兵士が降りてきて、負傷した2人を連れ去りました。ソマリア政府は機材が乏しく、ヘリコプターを所有していません。目撃者はヘリコプターがフランス国旗を掲げた戦闘艦から飛び立ったと述べていますが、真偽は確認されていません。フランス軍広報官は、この攻撃はフランスの作戦ではないと主張し、米国防総省はコメントしていません。

 まず、目撃情報から整理します。フランス海軍艦からヘリコプターが飛んだという話は信用できません。こうした作戦で、艦船が沿岸から目撃されるような場所には接近しないでしょうから、目撃者は洋上の船から艦船を見たことになります。この場合、ヘリコプターが攻撃を行う場面は見ていないわけで、本当にそのヘリコプターだったのかが怪しくなります。また、6機も発艦させたのなら、艦を何隻も必要とします。よって、この目撃証言は信頼度に乏しく、もう少し精査する必要があります。私はヘリコプターは隣国ケニアから飛来した可能性があると考えます。しかし、コンゴがこの攻撃を行ったとは考えにくいものがあります。兵士が白人だったこと、ケニアが民間軍事会社を雇うとも考えにくいからです。アメリカは今の段階でソマリアに地上軍を送り込むとは思えません。フランスは過去にフランス人を救出するために特殊部隊を派遣したことがあり、アメリカは空爆のみを続けています。

 しかし、襲撃の狙いが分かりません。問題は狙われたのが誰かです。負傷者を連れ去ったのは尋問のためでしょう。狙いは暗殺ではなく、情報収集だったように思えます。特定の人物を狙って襲撃した可能性が高いことから、この襲撃がかなり計画され、高度な訓練を受けた者たちが行ったといえます。一体、誰がこんな襲撃を計画したのかは、まったくの謎です。


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