オバマ政権がテロ容疑者の尋問組織を一新

2009.8.25



 military.comによれば、オバマ大統領は新しい、ホワイトハウスが監督する、特別なテロリズム時代の尋問部隊の創設を承認しました。また、オバマ政権はすべてのアメリカの尋問官が米陸軍のフィールドマニュアルに定められているルールに従うことも決定しました。

 新しい部隊はCIAが尋問任務から外されたことを意味しません。異なる部署の者が一つのグループの中に含まれ、ワシントンのFBI本部に置かれ、FBIによって指揮されます。部隊はホワイトハウスによって直接監督されますが、運用上の判断は部隊が行います。新しい尋問のルールとなるフィールドマニュアルは、2006年9月に更新されており、19種類の尋問方法を定めていますが、拘留者を裸にすること、軍用犬で脅すこと、極度の高温または低温にさらすこと、偽の死刑執行を行ったり、食事や飲料水、医学的治療を奪うこと、水責めを行うことを禁じました。

 ブッシュ政権期の悪習がまたひとつ排除されることになります。CIAは尋問から完全に外されたわけではないとはいえ、実質的にはFBIの手に移ったと考えてよさそうです。警察組織であるFBIに実務を任せることで、アメリカは国際的な信頼回復を期待することができます。既に明らかになっているように、テロ容疑者の尋問は政府と契約した民間軍事会社が主に行っており、そのシステムの中で違法な拷問が繰り返されてきました。一方、米軍のフィールドマニュアルに記されている、テロ容疑者との信頼関係を重視する方法が効果をあげることが尋問官からも指摘されていました。アブグレイブ事件の教訓を盛り込んだ最新のフィールドマニュアルを使うと宣言したことで、同じ事件が繰り返されることを防止しているわけです。


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