バグダッド爆弾事件にイラク軍が関与

2009.8.24



 military.comによれば、イラクのホシャイアル・ゼバリ外務大臣(Foreign Minister Hoshyar Zebari)が、先週起こり、少なくとも101人を殺害し、500人以上を負傷させたイラク政府の建物を狙った爆弾事件は、イラク軍の援助を受けていたと述べました。

 爆弾を積んだトラックがどのようにして通行禁止区域を通過したかは調査中です。イラク軍はすでに攻撃を行った武装勢力を逮捕していますが、詳細は公表していません。

 一方、military.comによれば、アフガニスタンのカンダハルでは、タリバンが大統領選挙に投票したアフガン人2名の指を切断しました。投票を済ませた印に指をインクで染めることになっていましたが、タリバンがそうした指を切断するという噂は事前に広まっていました。

 いまでもイラク軍の中には武装勢力に手を貸す者がいるわけです。この構造は簡単に変わりそうにありません。イラク軍・警察の構造は近代国家のそれとは似ても似つかないものです。特に、軍・警察は危険が伴うため、隊員には特別な死生観が生まれます。ここから宗教的なつながりが生まれる場合があります。ナチスドイツのゲシュタボでは、長官が隊員の葬儀を仕切っていたという事実があります。こうした傾向から、軍・警察は客観的・科学的見地から社会を見ているのではなく、宗教的な見地から見ていると考えるべきです。現在のイスラム国が簡単に西欧的な価値観を受け入れるはずはなく、それに起因するテロ活動は簡単にはなくならないでしょう。一方、アフガンでの選挙妨害は予想したよりは少なかったものの、指を切断するという残酷な方法が実行に移されました。こうした行為が早急になくなるとも考えにくいものがあります。


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