予備役中将が部下の楽観視を警告

2009.7.25



 military.comによれば、米陸軍予備役のジャック・シュトルツ中将(Lt. Gen Jack Stultz)は、彼の部下がすぐに派遣が軽減すること、これからの数年間に軽減するという国防総省の約束すら期待しないよう警告しました。

 シュトルツ中将はスターズ・アンド・ストライプス紙とのインタビューで次のように答えました。「私は彼らがもっと現実的であることを望みます。私は我々の作戦のテンポが下がると予測しません。我々は実現者(enabler)です。戦域から引き上げる最後の者は、あなた方の支援組織であり…最初に戦域に投入されるのは実現者です。だから、イラクの撤退では、実現者たちはその最後の一部が引き上げるでしょうし、アフガニスタンの増派では、実現者たちは最初に入る者となるでしょう。私は彼らがニュースに現れる事柄を耳にして、期待を膨らませるのを望みません」。現在、予備役は1年間の派遣に対して、3年間を米本土で過ごしています。目標は「派遣1年:帰国4年」であり、達成するには5年間を要するだろうと中将は述べています。他に装備品に関することも書かれていますが省略します。

 シュトルツ中将が述べている見通しは、アフガン戦の厳しさをよく表しているのではないでしょうか。先に、3〜4年間で米軍がアフガンから引き上げる見通しを紹介しましたが、だからといって、これから楽になるわけではないのは明らかです。おそらく、この記事は3〜4年間でアフガン撤退という記事に対する部下の反応を気にした中将の言を書いたのでしょう。第2次世界大戦のヨーロッパ戦役でも、終戦が見込める段階になってから将校の戦死が増えたといわれています。気の緩みが将校の行動を大胆にし、ドイツ軍は敗北を目の前にして死に物狂いで戦ったためです。シュトルツ中将は、部下が勝手に「次回派遣される前に戦争は終わる」と思い込み、気を緩めるのを恐れているのでしょう。


Copyright 2006 Akishige Tanaka all rights reserved.