警察刷新がアフガン復興の鍵か?

2009.7.15



 military.comによれば、アフガニスタンのヘルマンド州のアフガン警察に大きな問題があることを米海兵隊が認識しました。

 米海兵隊はアフガンの村人から、タリバンではなく警察に問題があるという苦情を聞かされました。警察は村人から盗み、暴力をふるうというのです。数日後、海兵隊は村人が言った意味を理解しました。約150人の海兵隊員とアフガン兵がヘルマンド川近くのエイナック(Aynak)の警察本部に近づいたところ、警察は彼らに向けて4発発砲しました(あとで警察の指揮官が、彼らが誰か分からなかったので発砲したと弁明)。一部の警察官はマリファナを吸い、他の者は威嚇のために海兵隊員の近くで銃に銃弾を装填しました。このため、会議は緊張感に包まれました。村人たちは、警察官よりもタリバン兵の方がよく躾られているとみなしています。アフガンの警察官は月給が150ドル程度で、収入を増やすために、検問所で賄賂を取り、麻薬密売を黙認しています。

 村人が海兵隊に文句を言ったのは信頼されている証拠で、よいニュースだと言えます。しかし、警察がここまで腐敗していると、それも打ち消されることになります。アメリカはアフガン警察を育成しようとしていますが、教官が不足していると指摘されています。しかし、それ以上に警察官が十分な給料をもらえず、そのために汚職に走っているところに問題があります。かつては、アメリカ国内の警察も劣悪で、空き巣を通報して、自宅に警察官を入れると、さらに家財が持ち去られるといわれたものです。汚職も横行しており、ギャングなどから賄賂をとるのは当たり前でした。こうした状況を改善したのは、警察官に十分な給料、装備と名誉を与えることでした。アフガンでも、この方法が有効ですが、そのための財源がないのだと考えられます。当然、アメリカ政府もこのことを認識しているはずですが、未だに対策がとられていません。しかし、警察の刷新がアフガン復興の鍵であることは間違いがないと、私は考えます。



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