南ワジキスタンへの攻撃が開始か?

2009.6.22



 military.comによれば、先日、米軍高官が明らかにしたパキスタン軍の南ワジキスタン侵攻が始まりました。パキスタン軍はジェット戦闘機と砲兵隊の攻撃で、武装勢力約50人を殺害したと発表しました。

 南ワジキスタンはパキスタンにおけるタリバンの指導者バティトゥーラ・メスード(Baitullah Mehsud)の拠点とされる場所で、アルカイダの指導者も隠れていると信じられています。パキスタン軍はまだ正式に作戦の発動を発表していませんが、戦略上の拠点を占拠しています。戦闘機が爆撃したのは、すでに放棄された武装勢力とつながりのある神学校と訓練基地です。匿名を条件に語った情報担当官2名と軍高官1名は、バーワンド(Barwand)とマダイジャン(Madijan)で激しい銃撃戦が進行中で、武装勢力約50人が殺害されました。軍の声明では、37人の武装勢力が南ワジキスタン、サルワキ(Sarwaki)近くの主要道路を封鎖しようとして殺害されました。死者数は確認されていません。

 記事には他にも景気のよいことが書いてありますが、本当かどうかが分からないので省略します。50人という切りのよい数字は、十分に確認されたものではないと想像できます。放棄された施設を爆撃しただけでは、まだ十分な打撃を与えたとは言えません。侵攻はこれからで、現在は準備段階にあると見るべきです。前に書きましたが、この戦いの内容次第で、パキスタン軍がどこまで本当かや能力を知ることができます。よって、今後1ヶ月くらいの戦況をよく見る必要があります。それも、パキスタン軍の発表しか手に入らないので、どこまで信頼できるかという問題がついて回ります。

 本日は時間がないので、ここまでにします。


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