信仰心が強いほど拷問を正当化?

2009.5.14



 テロ犯の拷問と宗教の関係について、military.comが興味深い記事を報じました。

 「信仰と国民生活についての信者のフォーラム(the Pew Forum on Religion and Public Life)」が4月29日に公表した742人の成人アメリカ人を対象とした調査によると、福音主義のプロテスタントの白色人種は62%が重要な情報を得るために多くの場合、あるいはたまには正当化されると考えています。比較して、非ヒスパニック系の白色人種では51%、白色人種で主流派のプロテスタントは46%、無宗教の人は40%という結果でした。宗教的なサービスに少なくとも週に1度参加する人たちは54%で、そうしたサービスにたまにしか参加しないかまったく参加しない人たちは42%でした。

 この記事はさらに続き、アンケート内容に対する疑問などが取り上げられていますが、時間がないので、ここまでにします。しかし、宗教と戦争に因果関係があるのは、特に議論を必要としません。戦争は死と直結しており、宗教はそれに直結しています。軍隊には宗教要員がおり、捕虜収容所でも宗教の自由が認められています。宗教が原因で起きた戦争もあります。軍隊に志願する時、宗教的な信条が大きく影響するのも議論を要しません。このため、信仰心が強い人ほど拷問を正当化する傾向があるとしても、それは驚くには値しません。信仰心が強い人ほどこの結果をショックに感じ、受け入れようとしないかも知れませんが、戦争を研究する上で、こういう要素は無視できないのです。




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