タリバンが大規模な自爆攻撃を敢行

2009.5.13



 military.comによれば、火曜日にアフガニスタン東部のカースト(Khost)で11人の自爆テロ犯が政府ビルを攻撃し、少なくとも20人が死亡し、3人の米兵が負傷しました。

 攻撃は午前10時ころに起こり、ブルカを着用した自爆テロ犯が米軍基地を収容している政府施設区域を攻撃しました。6人の自爆犯が警察本部を襲撃しようとしましたが、この攻撃は保安部隊により阻止されました。そこで自爆犯たちは隣接する自治体のビルに入り、3人が自爆して、職員20人を人質に取りました。米軍とアフガン軍は建物を襲撃して、人質全員を解放し、タリバン戦士3人を殺害しました。この攻撃で自爆犯少なくとも11人と市民と警官を含む少なくとも9人が死亡しました。タリバンの広報官ザビウラ・ムジャヒッド(Zabiullah Mujahid)は自爆犯は30人だったと主張しており、米軍広報官は「現在、たくさんのことが起きている」と、この混乱を要約しました。被害に関する数字が食い違っているのは、まだ米軍が状況を把握していないためと思われます。

 タリバンが受けている被害も相当な数に上るはずですが、アフガンだけでなく、パキスタンでも攻勢に出ているのは、戦士を潤沢に補充できているためとしか思えません。なぜタリバンだけがうまくやれるのかが疑問です。その上、そうした実態に関する正確な情報は公表されておらず、米軍がそれを把握しているのかどうかも不明です。最も重要な情報は不透明なままで、その間にアルカイダに対する戦いは敗北に向かっているのかも知れないのです。はっきりしているのは、よい情報がないということです。アフガン駐留米軍司令官の交代も決定的な要因とはならないでしょう。他に不確定な事柄が多すぎるからです。民生支援の成果がどれだけあがっているのかも含めて、もっと多くの情報を知る必要があると感じています。


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