産経もSBXレーダー不使用を報じる

2009.4.16



 SBXレーダーをテポドン2号の追跡に使わなかった件を産経新聞が報じています。ワシントン支局の有元隆志記者が書いた記事ですが、多くは昨日紹介した記事と内容は同じです。

 記事を読むと、北朝鮮を刺激したくないとする判断、人工衛星であるという北朝鮮の主張を米政府が受け入れたといったことが理由としてあげられ、SBXレーダーは通常のレーダーの3〜4倍の探知能力があるというコメントが添えられています。これを読むと、いかにも政治的な判断が働いて、最新鋭レーダーを使用しなかったように読めますが、一方で、SBXレーダーが補修作業中だったことも書かれています。しかし、不注意な読者は、政治的な判断によりテポドン2号を解明する格好の機会が失われたと考えるでしょう。理由としてあげられた事柄が、あたかも事実のように書かれている点も問題です。元の記事では、これらはミサイル防衛局関係者のコメントとして述べられており、それが不自然なことではないのは、昨日述べたとおりです。軍事ミサイルの専門家チャールズ・ビック氏も昨日話のついでに、「分析への悪影響はない。ゲーツ長官は冷戦時代からの経験に基づいて判断した」と教えてくれました。こうした追加記事を書く場合、なにか新しい事実の裏付けを加えてほしいものです。

 本日は時間がないので、これまでにします。


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