何もかも遅いメディアの対応

2009.4.1



 このサイトでテポドン2号に関する分析を紹介しているチャールズ・ビック氏が、昨日日本のニュース番組に出演して、テポドン2号が人工衛星ロケットである可能性が高いとの見解を述べました。

 ビック氏は、テポドン2号は人工衛星ロケットか弾道ミサイルのいずれかであるという見解を披瀝していました。しかし、衛星写真の分析結果から、人工衛星ロケットである可能性の方が高いと、見解を変更したわけです。以前、私はビック氏に、人工衛星ロケットと弾道ミサイルのどちらである可能性が高いかと質問したことがありました。ビック氏は専門家らしく「両方の可能性がある」としか答えませんでした。私は自分の考察から、テポドン2号は人工衛星ロケットだと信じるようになりました。そして、去年8月に出版した自著「平和を守るための戦争概論」の中で、そのことを指摘しました。もちろん、それ以前から、このホームページでも主張してきました。だから、今さらメディアがこのことを言い出しても、遅すぎるとしか言いようがないのです。実は、テポドン2号に関しては、すでに単行本の原稿を書いているのですが、未だに出版できずにいます。

 番組では、ビック氏が作成したテポドン2号のデザイン図も紹介されました。それは、globalsecurity.orgに紹介されているのと同じデザイン図でした。しかし、衛星写真が公開された段階で、このデザイン図を紹介するのは意味がないのです。すでに、ビック氏から、このデザイン図と写真がどう違っていたとの説明を私は受けています。いずれ彼の新しいレポートがglobalsecurity.orgに公開されるはずですから、その詳細についてはここでは触れません。ビック氏はすでに衛星写真に基づいたデザイン図の作成をはじめているはずです。

 何というか…歯がゆいの一言です。




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