アルカイダが「影の軍隊」を再編成

2009.2.11



 military.comによれば、2001〜2002年に壊滅したとされるアルカイダの「055旅団(Brigade 055)」が再編成されました。これは米情報当局者がロングウォー・ジャーナル(The Long War Journal)に語ったものです。

 055旅団はアラブ人とアジア人で構成され、より大きな「影の軍隊」を意味する、「ラシュカル・アル・ジリ(the Lashkar al Zil)」の一部として再編成されました。影の軍隊はパキスタンの北西部にある辺境地とアフガニスタンの東部、南部で活動しています。彼らは十分に訓練され、装備を持ち、複数の交戦でパキスタン軍を打ち負かしています。

 彼らは南および北ワジキスタン(North and South Waziristan)、バジョール(Bajaur)、ペシャワール(Peshawar)、カイバル(Khyber)、スワト(Swat)における成功したタリバンの戦いで活動してきました。アフガンでは、影の軍隊はクナール州(Kunar)。ノリスタン州(Nuristan)、ナンガル州(Nangahar)、カブール州(Kabul)、ロガール州(Logar)、ワルダク州(Wardak)。カースト州(Khost)、パクティカ州(Paktika)、ザブル州(Zabul)、ガズニ州(Ghazni)、カンダハル州(Kandahar)の11州で活動してきました。タリバンはその一部、テリク・イ・タリバン(Tehrik-e-Taliban)とハッカニ・ネットワーク(Haqqani Network)を影の軍隊に統合してきました。テリク・イ・タリバンは南ワジキスタンの指導者バティトゥーラ・メスード(Baitullah Mehsud)に率いられたパキスタン人のタリバン運動です。ハッカニ・ネットワークはアフガン・パキスタン両国にまたがり、アフガン国内で最も注目を集めた攻撃の背後にいます。

 昨年10月、米軍は影の軍隊の指導者カリド・ハビブ・アル・シャミ(Khalid Habib al Shami)を、北ワジキスタンの施設を空爆して殺害しました。影の軍隊の目に見える証拠は今のところ僅かしかありません。ロングウォー・ジャーナルのウェブサイトに、今年1月にスワトで撮影された影の軍隊の写真が掲載されています(記事と写真はこちら)。記事は、着用しているマスクとテニスシューズは、アフガンの戦士ではないことを示しているとする専門家の意見を紹介しています。私も、その服装から彼らは地元民ではないと思います。第55旅団は3〜4個旅団と見積もられる影の軍隊の一つです。2001年時点、055旅団は推定で2,000人規模だったとされていますが、現在は大幅に増員されていると見られます。

 確かに、昨年はアフガン国内で大規模な戦闘が繰り返され、タリバンだけでやっているとすれば、彼らは相当な勢力だと感じました。影の軍隊が一緒に活動しているとするのなら、その疑問に筋が通ります。しかし、本当に3〜4個旅団も存在するのなら、どこにいるのかくらい分かりそうなものです。存在してもおかしくありませんが、これほど大規模だとは信じにくいという印象です。055旅団は存在するとしても、影の軍隊はアルカイダの宣伝工作か…とも思います。


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