アフガン警官が米兵を殺傷

2009.10.5

 military.comによれば、米兵と共にパトロール中だったアフガニスタン人の警察官が米兵に発砲し、2人が死亡、2人が負傷しました。

 事件はワルダク州(Wardak province)で金曜日の夜に起こりました。犯人はアフガン国家警察(Afghan National Police)の制服を着ており、現場から逃げました。ワルダク州知事は、犯人をこの仕事に推薦した2人を拘留したと述べました。2008年10月にはアフガン人の警察官が手榴弾と銃で米兵を攻撃し、1人が死亡しました。同年9月にはパクティアー州の警察署で警察官が発砲し、米兵1名が死亡、3人が負傷し、犯人は致命弾を受けました。最近、カブールで米兵がラマダン中にアフガン人警官の前で水を飲んだことで米兵と警官が口論となり、警官が米兵を撃ちそうになったので、他の米兵が警官に銃傷を負わせました。

 文化の違いがアフガン軍・警察の発展を阻止しているのは間違いがありません。以前に見たテレビ番組では、米兵がイラクで無理にアフガン兵の髭を剃り、見かけが米兵と同じようにしていました。髭を生やすのが当たり前の国では、強制的に髭を剃られることは屈辱ですし、なにより軍人だと見れば分かる格好になり、テロの標的になりかねません。別の番組では、なぜか米軍の教官がアフガン兵に強制的にヌード写真を見せていました。そうすれば、アフガン兵の態度が変わると教官は考えたのかもしれません。相手がアメリカ人ならヌードに免疫があるでしょうが、女性を直視することを男性に禁じている国では逆効果です。人間は誘惑に弱い生き物だから、女性は顔以外を服で包むというのがイスラム教の考え方で、特にアフガンではこれが厳格に守られています。だから、アメリカ人が無理にヌード写真を見せようとすれば、アフガン人はアメリカ人がアフガン人を堕落させようとする悪魔であり、自分は悪魔に立ち向かわなければならないと考えるかも知れません。米軍の文化をアフガンに持ち込むには、違いが多すぎます。アフガン軍・警察を養成して、米軍やNATO軍が撤退するという計画も、訓練を満足いくまでに行うのは無理だと、私は考えています。適当なところまでやって、部隊を引き上げるしか手はないでしょう。日本や韓国で軍隊を訓練したのとは、条件が違いすぎます。


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