米軍グアム移転計画の予算が上昇中

2009.10.26

 marine-corps-times.comによれば、2年後に米海兵隊は8,000人以上の隊員を沖縄からグアムへ移転することに合意していますが、計画は不明瞭なままで、コストが上昇しています。

 米政府説明責任局(the Government Accountability Office)によれば、グアム移転の費用は150億ドルと見積もられており、米国防総省の見積もりより50億ドル近くも上昇しています。費用の多くは、グアム島から出入りするための高速輸送船、家具、事務用品、グアム本島と北マリアナ諸島付近の訓練用射撃場の土地に使われます。孤立する島を利用するために必要な戦略的輸送支援には、同じことを沖縄で行う場合よりも多い、年間8千8百万ドルがかかります。海軍のグアム統合計画局(the Navy's Joint Guam Program Office)の当局者はグアム移転が海兵隊最良の策だと言います。JGPO当局者は9月15日の議会報告で「計画されたグアムにおける部隊態勢の展開は、我々の国家安全保障の利益、特に我々の世界的な防衛態勢を再編成する戦略に重要です。この正味の影響は…軍の能力を強化して、太平洋における政治的な安定を向上するでしょう」。第3海兵隊遠征軍(III Marine Expeditionary Force)と9,000人の扶養家族は、2012年にグアムへの移転を開始します。しかし、陸軍、海軍、空軍もまたJGPOに関係しています。空軍はアンダーソン空軍基地(Andersen Air Force Base・kmzファイルはこちら)にステルス兵器を扱う監視・偵察攻撃部隊(surveillance and reconnaissance strike task force)の本拠を構えるための計画を終え、建設を始めています。また、韓国の遠征訓練センターと沖縄の土木工学訓練センターを2011年10月中に新しいグアムの空軍基地に移転させます。陸軍は期日を決めていませんが、大隊規模のAMD部隊を含む対空・ミサイル防衛部隊を移転し、巡航ミサイルや無人機に対処するとみられています。海軍は2019年に新しい埠頭が完成したら、航空母艦を頻繁に寄港させる予定です。GAOはこうした移転に必要な工事のために、天然資源と労働者が不足していると指摘しています。基地建設には12,000〜15,000人の熟練した労働者が必要です。グアムにはこれだけの労働者はおらず、外部から連れてくることになります。記事には、地元民を優先的に雇用し、それ以外を他の米国内と外国から得るアイデアが示されています。

 今回の移転は海兵隊だけでなく、ほぼ全軍に及ぶ大がかりなものです。だから、グアム統合計画局が海軍に置かれて、各軍の調整を図っているわけです。米政府説明責任局が発表したというレポートですが、それらしいのが見つかりましたが、これは今年6月30日付けで発表された、少し古いレポート「GAO-09-653: Defense Infrastructure: Planning Challenges Could Increase Risks for DOD in Providing Utility Services When Needed to Support the Military Buildup on Guam」です(ダウンロードはこちら・pdfファイルへの直接リンクはこちら)。該当するレポートではないかも知れませんが、普天間基地の問題を考える上でも重要な資料かも知れませんので、プリントして読んでみます。しかし、この記事からは、移転計画が遅れているのだから、日本政府の決定も急ぐ必要がないという判断ができそうです。もっとも、計画が紛糾しているので、先に日本の決定を得たいという考えもあるでしょう。このレポートに移転計画(予定)を示したイラスト地図が載っていたので、以下に掲載します。

 

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