イラクはBW社のライセンスを認めず

2009.1.30



 ワシントン・ポストによると、イラク政府は民間軍事会社ブラックウォーター社のライセンスを発行しないと米大使館に通告しました。

 アメリカとイラクの合同委員会が保安協定の下で民間業者のガイドラインを取り決めると同時に、BW社はイラクを去ることになります。この作業がどれくらいかかるかは明らかではありません。BW社の社員であっても、これまでに不適切な行為で告発されていない社員が、雇用主を変えた場合はイラクで仕事を続けられます。これまで何度もBW社によって事件が繰り返されてきました。最悪なのは、2007年9月16日、バグダッド市内で起きた、市民17人が殺害された銃撃戦でした。記事には驚くべき数字が載っています。2000年以降、BW社は10億ドル以上の報酬を米政府から受け取りました。2007年10月の議会報告書では、BW社の社員は1日に1,200ドル以上を稼いでいます。

 起こるべきことが起きました。イラクは民間軍事会社の社員に認められていた免責特権を交渉によって剥奪しました。続けて、BW社をイラクから追放するのは当然です。社員が雇用主を変えた場合は活動を認めるのは、交渉成立のためにイラク側が妥協を示していたのでしょう。BW社はすでに警備業務から撤退し、訓練と輸送で儲けるよう、方向転換を進めています。自然と転職者が他の民間軍事会社へと流れることになるでしょう。今回の決定は、国家が民間軍事会社の活動を制限したという点で、対テロ戦争以降に急増した民間軍事会社の転機として記録に残るべきものです。


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