ブッシュに靴を投げたゼイディの近況

2009.1.18



 12月末に裁判が行われるはずだった、ブッシュ大統領に靴を投げたイラク人記者ムンタドル・アル・ゼイディ(Muntadhar al-Zeidi)に関する情報が入ってきました。最近、彼と面会した兄弟が元気な様子だったと述べたとmilitary.comが報じました。

 予定された裁判が遅れているのは、上訴裁判所がブッシュに靴を投げた罪を取り下げることを検討しているためです。以前、最高刑期は2年と報じられていましたが、この記事では15年になっています。

 16日、ムンタドルとグリーンゾーン内の施設で、彼の兄弟のメイサン(Maitham)が2名の警官が監視する中で、2時間面会しました。メイサンのコメントは得られていませんが、別の兄弟ダーハム(Dhargham)がコメントを出しました。ムンタドルの健康は良好な状態で、取り押さえられた時の怪我は治っており、意気軒昂でしたが、依然として弁護士との面会は認められていません。弁護士は来週、面会できる見通しだと述べています。彼は独房に入れられていますが、ベッドとテレビセットが設置された部屋にいます。時折、医師が訪問し、食事も良好です。彼の行為に対する国際的な反響は彼に伝えられておらず、イラク人の半数が彼の行為に反対だと聞かされていました。しかし、彼はすべてのイラク人が彼を支持していると聞かされて喜びました。アメリカでさえ彼を支持するデモ行進が起きたことを知ると、彼は涙を流しました。彼は靴を投げる際、護衛官に殺されることを考え、会見場に入る前に最後の祈りを唱えていたとのことです。

 以前に、処分はそれほど厳しくなく、収監先で拷問されるようなこともないだろうと書きましたが、やはりそういう線で話が進んでいるようです。それを象徴することが、この記事には書かれていました。面会日はムンタドルの30歳の誕生日で、数名の愛国的な警官が彼のためにバーステーケーキを持ってきて、パーティを開いたということです。警官たちにしても、ブッシュに靴を投げた彼の行為は溜飲を下げる出来事だったのです。世の中はそういうものだということです。

 ちなみに、ウィキペディアは「ブッシュの靴」という項目を設け、かなり滅茶苦茶な見解(下記)を紹介しています。もう少し、確認された情報だけを掲載するように、ウィキペディアは方針を転換して欲しいものです。これでは、2ちゃんねるのゴシップのレベルでしかありません。

ブッシュ大統領は2回靴による攻撃を受けたが2回ともかわし「靴のサイズは28センチだった」などと余裕を見せたという。しかし実際には1回目にブッシュ大統領の顔面にヒットし2回目の靴は隣に立っていたマリキ・イラク首相にヒット、マリキ首相の怒りを買ったため靴を投げた記者は重刑に処されたという説もある。ただし靴投げ時映像はリアルタイムに配信されており「CGなどによる加工は物理的に不可能」という見解が大方を占める。



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