パキスタン軍が武装勢力60人を殺害

2008.9.24



 military.comによると、武装ヘリコプターと砲兵隊に支援されたパキスタン軍が60人以上の武装勢力を攻撃して、殺害しました。コアート(Kohat)で50人以上が、バジョール(Bajur)で少なくとも10人が殺害されました。パキスタン軍の被害は1人だけでした。

 この作戦は、アメリカからの圧力によって始まり、8月初旬から行われていました。コアート地区は、武装勢力によって半ば自治区と課していました。パキスタン軍は山中にあるトンネルを武装勢力から取り戻したとしています。バジョールはオサマ・ビンラディンの隠れ家という噂があり、ここでの作戦道によって、アフガニスタンでのテロ攻撃が減ったと、アメリカは考えています。一部のパキスタン政府高官は、マリオットホテルの爆弾事件が、こうした掃討作戦への報復攻撃だったのではないかと考えています。

 またパキスタン軍の大戦果ですが、数字は概算のように見えますから、どこまで信頼できる数字なのかは疑問です。兵士が現場に入って死体を数えたのか、写真などによる判定なのかは分かりません。こうした作戦が8月から行われていたのは意外でしたが、それにしては成果が出るのに時間がかかったと思います。前回のバジョールでの100人殺害の戦果が9月中旬ですから、まとまった戦果が出るまでに1ヶ月以上かかったことになります。武装勢力がグループ化して、山中のトンネルに潜み、それを見つけるまでに時間がかかるのかも知れません。パキスタン軍の活動のために、米軍はしばらくは地上戦を控えるかも知れません。行っても小規模な作戦に留めるでしょう。

 マリオットホテル爆破事件の犯人が、これらの武装組織であれば、今後、パキスタン国内でのテロ事件の増加は当然予測されます。これまでも十分に危険な状態でしたから、かなり酷い状況になりそうです。こういう状況の変化を、国内メディア、特にテレビが扱わないのは困ったものです。


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