アイビンス単独犯説についての疑問点

2008.8.9



 本日は、オリンピック関係の番組を見過ぎたので、簡単に書きます。

 military.comによれば、炭疽菌事件を単独犯と断定したFBIの結論には、3つの疑問があるといいます。少々時間がないので、簡単に説明します。

 フォート・デトリック基地のブルース・E・アイビンス(Bruce E. Ivins)の研究室にあった、細かい粉にされた突然変異種の炭疽菌と、上院議員に封筒で送られた炭疽菌が同一だと証明することができるか?

 これについては、二人の専門家の意見が引用されています。フォート・デトリックの研究所に勤務した経験を持つ生物兵器の専門家ジェフリー・アダモヴィッツ(Jeffrey Adamovicz)は、とするFBIの結論は、それがアイビンスの研究室でしか発見されなかったことを証明していないと批判します。ピッツバーグ大学の学者ドナルド・ヘンダーソン(Donald Henderson)は、DNAを精査するには、科学者がそれを作る必要があると言います。この指摘は専門的すぎて、私には理解できません。

 アイビンスはそうした形態の炭疽菌を作り出す技術力を持っていたか?

 1987年に退職したアイビンスの元同僚は、上院議員に送られた炭疽菌が極めて濃厚で安定していたのなら、アイビンスにそれを作れるはずはないと言います。彼は、アイビンスが小さな炭疽菌の胞子をフリーズドライにする装置を研究所から借りたという記録を疑います。研究所にその装置があったと信じがたいというのです。もっとも、彼がかなり前に退職している点は気になりますね。

 2005年かそれ以前にアイビンスが容疑下に置かれてから今年の夏まで、生物兵器研究所で働き続けることができたのはなぜか?

 研究所に勤務するには、精神的な問題を明らかにし、FBIによる身辺調査を受けなければならないのに、アイビンスが放置されていた点に対しても疑問が示されています。しかし、彼の精神科医は、彼を精神異常だったと述べていたと言います。そういう人が放置されていたことを考えると、容疑者が勤務を続けることは、捜査に対する疑問と言うよりは、研究所の管理に対する疑問かも知れません。

 いずれも、専門的な知識を得ないと正しく判断できそうにありません。すぐに考えつくだけでも、ここに書いたような疑問点が浮かびました。気になる方は、全文を読んで考えてみてください。


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