イラクのアルカイダ組織が宣伝活動も縮小

2008.8.23



 army-times.comによると、イラクにいる主要なアルカイダ組織は宣伝の分野でも活動を減らしているようです。ウェブに発表される声明やビデオは、2007年には200件以上あったのが、今年は12件へ減っています。

 この調査はテロリストのウェブ活動を追跡している独立系組織「SITE Intelligence Group」が発表しました。この一方で、アフガニスタンのタリバンが活動を活発化させています。5月には100件以上のタリバンの声明があり、これは2007年5月の24件よりも大幅に増えています。先月、イラクでは中心的メンバー11人が殺害または逮捕され、800GB以上のデータを押収しました。このデータには、ビデオ映像、宣伝用チラシ、マニュアルが含まれていました。

 アルカイダが活動をアフガニスタンへ移していることが、宣伝の分野においても明らかになりました。アルカイダの宣伝は、私たちの頭の中にある宣伝と比べると稚拙ですが、大量にデータを流すことで、世界中から支持者を集めています。こうした活動は、標準的なパソコンとインターネット環境があれば、誰にでもできるのが問題なのです。いまやデジタルカメラで撮影した映像を簡単にインターネットにアップロードできる時代です。だから、声明やビデオの数が減ってもあまり安心はできません。イラクの治安は今後、しばらくは安定するのは間違いがありません。しかし、シーア派主導のイラク政府が、他宗派に弾圧を加えることがあれば、再び活性化する可能性がありますし、アルカイダがまた力点を移すことも考えられます。問題は、アメリカが何をしようが、問題に大きな影響を及ぼすことはないということです。すべては、イラク人が鍵を握っています。


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