イランでイラク人暗殺者を養成か?

2008.8.16



 military.comによると、匿名の米軍情報機関の高官が、シーア派イラク人の暗殺団がイラン国内少なくとも4カ所でエリート部隊のクッズフォース(Quds force)とヒズボラのレバノン人から訓練を受けており、10月までにイラク高官を殺害するためにイラクに帰国する計画があると、AP通信のインタビューで述べました。

 多くの判事やその他の特定できない人物を含む標的のリストは、すでに13州の治安顧問に提供されています。訓練施設のある場所は、コム(Qom)、テヘラン(Tehran)、アフワーズ(Ahvaz)、マシュハド(Mashhad)です。暗殺者の人数は明確ではなく、数百人から千人以上と見積もられています。指揮官はガシェム・レイマニ准将(Brig. Gen. Ghassem Soleimani)です。今回の情報公開は、イランに計画を思い止まらせるためだと高官は主張します。

 訓練の内容なども具体的に記事に書かれていますが、暗殺遂行として基本的な技術なので省略します。10月以降、暗殺が多発するかどうかに注意することを、頭に入れておきましょう。この暗殺が実行されれば、大統領選挙の最中に大きなニュースとなる点に注意が必要です。おそらく、イランの狙いはそこにあるはずで、情報公開に踏み切った理由は、それを防ぐためにあります。この暗殺は、どちらの候補者を不利にするのかが問題なのではなく、アメリカの威信を傷つけることに目的があります。次期大統領に最も注目が集まっている時に、その威信をおとしめる事件を起こすことが狙いなのです。こうしたことを、10月にもう一度思い出すことにしましょう。


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