アメリカが中国の拷問方法を借用か

2008.7.5



 本日は時間がないので、簡単にします。実は、8月に新刊を出すことになり、いまゲラ刷りのチェックの真っ最中です。今回は軍事の参考書で、誰にでも楽しんで読める内容の本です。

 グアンタナモの収容所で使われた拷問のテクニックは、朝鮮戦争時の中国軍の手法を参考にしたものだったと、military.comが報じました。

 この話を聞いて思い出すのは、フランク・シナトラ主演の「影なき狙撃者」(1962年作品)という映画です。朝鮮戦争で捕虜になった米兵が洗脳され、あるキーワードを与えられると、あらかじめ刷り込まれた暗示によって暗殺者に変身し、大統領戦に関わる陰謀に巻き込まれていくという話です。2004年に「クライシス・オブ・アメリカ」というタイトルでリメイクされました。原題はどちらも「The Manchurian Candidate」で、「満州人の候補者」という意味です。リメイクでは、敵は中国ではなく、マンチュリアンという名前の大企業に変えられていました。

 いまでは想像しにくいことですが、当時はこうした映画に現実感がありました。記事にも、当時、中国人が米兵捕虜を洗脳していたという説明が書かれていますが、そういう行為が実際に行われていたためです。もちろん、人を催眠術で暗殺者に仕立て上げるようなことはできず、この部分はフィクションです。しかし、こんな馬鹿げた話が通っていた事実は、アメリカが共産主義を心から恐れていた証拠でもあります。そして、いまやアメリカが共産主義者がかつて使った方法を応用しているわけです。これに皮肉を感じずに、何を感じるべきかと思います。  

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