米海軍が日本向けに劇画をリリース!

2008.6.4



 military.comのヘッドラインに「manga comic」の文字。これは一体何かと思ったら、在日米海軍が劇画「CVN73」をリリースするという話でした。

 この劇画が想定する読者は日本人らしく、セリフは日本語で書かれています。「CVN73」というタイトルが意味するのは、まもなく日本に配備される原子力空母ジョージ・ワシントンの艦番号です。内容は、この艦に乗り組んでいる隊員たちの生活を描いています。26,000部が初版としてまもなく出版されます。まず、米軍基地に近い京浜急行電鉄横須賀中央駅やオタクたちの聖地・秋葉原で入手できるようになり、在日米海軍のウェブサイトからダウンロードもできるようになる見込みということです。

 この劇画を出版する理由は、立て続けに起きた米兵による重大事件と原子力エンジンを持つ空母の配備に鑑み、日本国内で米軍に対する感情を少しでも和らげようということしか考えられません。それも漫画というメディアを利用したということは、特に、若い人の受けをよくしたいのでしょう。米海軍内の心配性の高官が考え出したアイデアかも知れません。

 これ、喜びそうな人たちがいっぱいいますね。軍事オタクとアニメオタクのどちらにも属する人は沢山います。石破茂防衛大臣は初版を入手するかも知れません。写真からは劇画の作者は判然としませんが、「かわぐちかいじ」だったら笑いますね。

 しかし、気になるのは、その内容です。日本人の感情を軟化させるため、情報戦の一環としてどんな内容にしたのか。そこに関心が向きます。

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