カンダハルからタリバン兵を掃討?

2008.6.20



 military.comによると、アフガニスタン軍とNATO軍はカンダハル付近の村々からタリバン兵を掃討し、数百人を殺傷しました。カンダハルの知事アサドラ・ケールド(Asadullah Khaled)によると、アーガンダブの南部地域からも武装勢力が追い出されました。NATO軍は知事の声明にコメントしていません。

 ケールド知事によると、数百人のタリバン兵が死傷したり、負傷して逮捕されました。彼らの多くはパキスタン人でした。ISAFの広報官によると、空爆は一度だけで、攻撃を受けたヘリコプターが自衛のために行ったものでした。民間人の死者はひとりだけで、その他にアフガン人ひとり、アフガン兵2人、ISAFの軍属3人、NATOのカメラマン1人が負傷しました。作戦はいまだ継続中です。連合軍側の兵数は約1,000人でした。

 アーガンダブを占拠しているタリバン兵が400〜500人で、カンダハルには何人いるのか分かりませんでしたが、数百人が死んだということです。しかし、タリバン兵の何人が死亡し、負傷したのか、その詳細が分からないと、戦いの様相も推測できません。たとえば、タリバン兵のほとんどが逮捕され、戦死者が僅かなら、彼らの士気は低かったことになります。しかし、連合軍側に死者がおらず、負傷者も僅かで、空爆が1回だけとすると、タリバン側に一方的に損害が多いというのは考えにくい話です。こうした場合、双方に多くの死傷者が出るものだからです。一体どんな戦いだったのか、想像しがたいとしか言いようがありません。現地から出ている情報には疑いがあります。

 まだ、アーガンダブでの戦闘は行われていません。その情報も合わせて吟味する必要があります。

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