タリバン兵掃討作戦が始動

2008.6.19



 military.comによると、アーガンダブ(Arghandab)のタリバン兵に対する攻勢が開始されました。

 AFPの記者はカナダ軍の装甲車やヘリコプターをアーガンダブ地区の近くで目撃しました。この辺はザクロの果樹園が多く、隠れる場所が多いようです。アフガン軍の広報官は、午前8時に掃討作戦を開始したと発表しましたが、銃声は散発的で、小規模な衝突があったものの、犠牲者はまだ出ておらず、空爆もまだということなので(最新のテレビニュースによると実施されたようですが)、本格的な攻勢はまだ行われていないのかも知れません。NATO軍広報官によると、カンダハルに対して全面的な作戦が、アーガンダブに対しては部分的な作戦が行われているようです。これは少し意味が分かりません。タリバン兵がいるのはアーガンダブの方だと思われますが、カンダハル側にもいて、そちらからも攻撃が行われているのかも知れません。

 ザクロ園にタリバン兵が隠れているのなら、そこで戦闘になる可能性が高いことになります。ザクロ園が被害を受ければ、アフガン政府はその損害を弁済した方が賢明です。そうしないと、収入が減った農民たちが家族を養うために武装勢力になってしまうかも知れません。アフガンでは、仕事がなければ武装勢力になるくらいしか生きる道がありません。そうなると、たとえタリバン兵を掃討しても、戦果にはつながらないことになります。ほかに、ほとんどのタリバン兵が逃げてしまって、逮捕できないケースも心配されます。アフガニスタンでタリバンは弱体化しているという情報もありますが、パキスタンに逃げ込んでいるだけかも知れないからです。

Copyright 2006 Akishige Tanaka all rights reserved.