モスルからテロリストが潰走か?

2008.5.27



 army-times.comによると、米軍とイラク軍による掃討作戦により、モスルからアルカイダとスンニ派武装勢力が潰走しました。米軍は、アルカイダはバランスを失い逃走したけど、非常に強い脅威は残っていると述べました。

 イラク国防省の広報官モハメッド・アル・アスカリ少将(Maj. Gen. Mohammed al-Askari)によれば、保安部隊は先週のモスルでの掃討作戦で、1,030人を逮捕しました。その内、251人は嫌疑を解かれて、すでに釈放されました。掃討作戦が開始される前、モスルには約2,000人のアルカイダとスンニ派武装勢力がいたと考えられています。アスカリ少将は何人が未だにモスルに居残っているかは示しませんでしたが、逃走に成功した者の多くは、ティクリートやラマディ、さらに南の街近くの砂漠の中を逃げていると考えられると述べました。

 ここ最近、アルカイダが拠点としてきた北部のモスルから、テロリストが本当にいなくなったかどうかを、今後の報道を慎重に読み解いていく必要があります。敵を潰走させても、彼らが再編成するなら、成果は半減してしまいます。米軍広報官も再編成はさせないと言っていますが、そのために何をしているかは述べなかったようです。武装勢力が戦いの場を移すのは、これまで何度もあったことです。

 先のライアン・クロッカー大使(Ryan Crocker)の発言が、掃討作戦と合わせてタイミングよく発せられたのは、当然ながら意味があります。北部の拠点モスルと南部の拠点バスラの両方で掃討作戦を行い、テロリストを追い出したことを示すことで、ブッシュ政権へ援護射撃を行いたいのです。昨日、大使の発言に触れなかったのは、それが見えているので、無視したいという気持ちからでした。今回の掃討作戦は政治的な意味合いが強く、軍事的な意味はより薄いと思います。今後の情報を注意して見ていく必要があります。

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