ペトラエス大将が公聴会で証言

2008.4.9



 military.comによると、デビッド・ペトラエス大将(Gen. David Petraeus )は上院公聴会で、7月に増派した分の兵力がイラクから帰還した後、45日間の「整理統合と評価の期間」を設けるべきだと述べました。しかし、45日間の後、さらなる撤退を実施できるかどうか、今年末までにどれだけの兵士が帰還できるかについては言及しませんでした。

 ペトラエス大将の話は大して依然と変わっていません。多くの人たちがイラクのために大きな貢献をしたけども、未だにイラクの治安は流動的だということです。いつ最終的な目標が果たされるのかも述べていません。7月には140,000人にまで削減される予定の兵力が、その後、さらに減らせるかどうかは不明なのです。実は、こうした見解は昨年にも見られました。議会での軍部の報告は去年と大して変わっていないのです。

 上院軍事委員会の委員長カール・レヴィン上院議員(Sen. Carl Levin)は、ゲーツ国防長官が撤退の休止は短期間だと言ったのに、終わりのない休止になっていると述べました。そして、45日間の評価期間を終えたあとで、さらなる撤退を提唱する立場にあるかとペトラエス大将に尋ねると、大将は明言を避けました。ヒラリー・ロダーム・クリントン上院議員(Sen. Hillary Rodham Clinton)は、ペトラエス大将に明快な回答を求め、「兵士を整然と引き揚げるプロセスを始める時だ」と述べました。ジョン・マケイン上院議員(Sen. John McCain)はこう述べました。「我々の目標、私の目標は、米兵をもはや必要としないイラクだ。そして、私は、おそらく多くの者が想像するよりも早くに、その目標を達成できると信じている。しかし、私はまた、我が軍を退却させると約束するのは、結果に関わらず、政治的、道義的なリーダーシップの失敗を形成するだろうと信じる」。

 マケイン議員の意見は話になっていないと思います。目標は最初から達成不可能なのが本当のところで、これからも達成できる見込みは立たないでしょう。軍人にもできないことがあるということを、理解しなければなりません。軍隊はその能力を超えて使ってはなりません。もちろん、道義的には使わない方が賢明なのです。米軍はすでにその能力を超えて酷使されています。

 もう何度も似たような問答が議会で繰り返されているのだから、米国民も見切りをつけていると思います。それが大統領選挙の投票に反映されることを期待するしかありません。

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