バスラ掃討作戦、未だ不透明

2008.3.29



 military.comによると、バスラ掃討とその余波を収拾するため、米軍は偵察機だけでなく攻撃機を投入しています。米政府はバスラ掃討作戦を称賛するだけでなく、軍事的関与を強めており、バスラとバグダッドの両方で空爆を行いました。

 昨日、バグダッドでヘリコプターがヘルファイヤ・ミサイルをシーア派の拠点に対して発射しました。これはサドルシティで主要な補給路を掃討する際に銃撃戦が起こり、地上部隊が要請したものです。また、バスラに対して空爆を実施しました。記事はこれらの米軍の支援活動は、イラク軍・警察の掃討作戦が苦戦していることを示唆するとしています。イラク筋による非公式な情報では、マホムディヤ(Mahmoudiya)、ナシリヤ(Nasiriyah)、クート(Kut)などでの死者は26人。米軍によれば、バグダッドの戦闘の死者は木曜日が23人、金曜日が13人。しかし、戦闘に関する情報はほとんど記事に時書かれておらず、イラク・米政府からはほとんど発表がないように見えます。

 戦闘がうまく運んでいるのなら、イラク政府から得意げな発表があるはずです。イラク軍が自立して主要な武装勢力の排除に成功しつつあるのですから、宣伝の材料としてうってつけです。それがあまり出てこないのなら、多分、うまく進んでいないのだろうと推測ができます。4日間で120人の武装勢力が死亡したとの発表もありますが、それなら降伏期限が4月8日まで延長されたこととの辻褄が合いません。イラク政府が武装勢力に、武器を引き渡せば金を払うと言っている点も疑問です。外から見ている分では、戦闘はうまく進んでいないように見えます。

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