アフガン派遣米兵に精神的問題が増加

2008.3.7



 military.comによると、イラクに比べて戦闘が激化しているアフガニスタンで、米兵の精神的な問題が増加しています。

 この調査は、昨年秋にイラクで2,200人以上、アフガンで900人近い兵士を対象に行われ、派遣回数が3回目と4回目の兵士は、派遣回数が2回目までの兵士に比べて、不安神経症、憂鬱、PTSDのような精神的問題を抱える率が劇的に増加することが分かりました。特に、憂鬱の割合はイラクよりも高く、精神的な問題は一般的にアフガンにいた時よりも高くなっています。2004年の研究では、アフガンに派遣される前と後とでは、およそ10人に1人は治療が必要な精神的問題を増加させています。アフガンにいる兵士の約83%が迫撃砲の放火や、タリバンやアルカイダの戦士に対する同様の行動に曝されており、これはイラクの72%よりも多くなっています。これは、より強い戦闘ストレスに曝されることが精神的問題を生むことを示唆しています。また、3割ほどの兵士が、キャリアに傷をつけるのを恐れて、精神的な問題を治療しようとしていません。

 やはり、戦地にいる期間が長い兵士ほど精神的な問題を抱え込む確率が増えていくことが分かります。こういう問題を解決するには休暇を与える方法が用いられてきました。米軍は再派遣までに十分な期間を設けています。それでも、何度も派遣されれば問題を起こす可能性が増えていくわけです。また、派遣中の休暇の頻度も重要な要素ですが、それはこの記事には載っていません。この情報もあると嬉しいですね。

 戦闘ができなくなった兵士は、除隊したり、非戦闘部門に異動し、新兵が補充されます。そのために、新しい兵士がリクルートされていくのです。戦争は損耗を出し続けることであり、それに耐えられなくなった方が負けるゲームです。だから、損耗を出さず、敵が損耗を出すようにすることが戦いのポイントなのです。精神的な問題といっても軽視はできません。戦争に勝つには、こうした配慮を総合的に行える人材が必要です。

 ニューヨークのタイムズスクエアにある軍の徴募事務所が爆破されたという報道が入ってきました。事件は現地時間で午前3時45分に起きました。人通りが少ない時間帯を狙ったことから、アルカイダ系の犯行ではなさそうです。米国内のイラク政策に反対する勢力の犯行ではないでしょうか。

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