米兵による犯罪は防げるか?

2008.2.23



 military.comが米兵による少女暴行事件の余波を報じました。この事件に関しては、これで二度目の報道になります。今回は日本の反応が中心に報じられています。今回の事件はCNNでも報じられており、アメリカでもこの事件が大きく取り上げられています。

  • 高村正彦外務大臣が、東京都が米軍基地の周りに防犯カメラを設置するだろうと発言し、年に一度、アメリカが営外居住者の数を日本に報告することになったと発表。
  • 石破茂防衛大臣が、米兵による犯罪が続くなら、日米安保は成り立たないと発言。

 今回の事件の犯人が営外居住者だったために、こうした措置が取られたようです。現在、24%の米兵が営外に居住しています。ざっと、23,000人という数です。営外居住者には将校が多く、彼らによる犯罪はほとんど聞きません。営外居住者の下士官、外出中の兵卒に対する効果は大きいとは言えないでしょう。すると、防犯カメラを設置して、米兵にアピールすることで、行動を抑制することを期待するしかありません。他にパトロールの強化も効果が期待できます。しかし、完全に犯罪を防ぐ方法はありません。特に、兵卒にとっては週末の外出は緊張を解きほぐすためにあるので、泥酔する兵士も中にはいます。そこで、色々な問題が起きてくるのです。アメリカの関心の高さを追い風として、日本は多くを要求しても構わないのではないかと思います。

 ちなみに、イラクに再派遣されるのを拒否した兵士が禁固6ヶ月の判決を受けたとmilitary.comが報じました。彼はイラクで母親と幼児が十字砲火で殺されたり、子供たちが自動車爆弾で手足を失うのを目撃し、自分が誰かを殺すことが許せないと主張していました。暴行事件の犯人の罪はどれほどのものになるのでしょうか?


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