ロシアからのサイバー攻撃が問題に

2008.12.27



 military.comによると、ロシア人のハッカーたちが単なるスリルからではなく、金目当てにアメリカ製のソフトウェアの弱点を探しています。

 オンライン銀行の口座、社会保障番号、クレジットカードの情報、電子メールのログインとパスワードなどを盗むことで、彼ら(20代の若者)の一部は年間1千万ドルを手にしています。最近、国防総省のコンピュータにロシアから侵入が試みられていると考えられています。2007年のエストニア政府のコンピュータをシステムダウンさせたり、今年8月に紛争が勃発したグルジア政府のコンピュータに侵入したのも、ロシア人であるとみられています。大統領選挙中には、バラク・オバマとジョン・マケインのコンピュータにも侵入しようとした可能性があると考えられています。ロシア政府は関与を否定しており、現在のところ、証拠も見つかっていません。ハッカーたちは、ロバート・ゲーツ国防長官の機密扱いではない電子メールに侵入し、国防総省のコンピュータを毎日何十万回も調べています。国務省は何千ギガバイトものデータをハッキングのために失っています。アメリカの企業はハッキング体策に何十億ドルも使っています。

 記事を読むかぎりでは、今のところ、安全保障に関する重大な情報の被害はないようです。懸念が高まっている段階で、ひょっとすると脅威はそれほどでないかも知れないという気にもさせられます。ハッカーたちは国防関係の情報を金に換える手段を持っていないようです。記事にはハッキングによる経済犯罪の解説もありますが、彼らはそれらで大金を手に入れられるのです。米国防総省のコンピュータからデータを引っ張り出して、それを大金に換える方法を、ハッカーたちには思いつけないのかも知れません。彼らが愛国心からハッキングを行う可能性もありますが、今のところ、そういう状況ではないようです。ロシア政府は、ハッカーからハッキング情報を手に入れるのは、「あてにならない」という不安を感じるかも知れません。それでも、何かネタがないかを探して、ハッキングが続けられているようです。現状では、ハッキング対策のためにかかる費用という被害があるわけです。今後、深刻な被害が出るかどうかは不明です。戦争の遂行にネットワークが占める割合が増えた現代、もしコンピュータがサイバー攻撃で使えなくなったらという不安は常にあります。それには、愛国者のハッカーが現れるかどうかにポイントがありそうです。

 今日は興味深い記事が他にもいくつかありました。

 「殺し屋イマド」として知られ、すでに100人を殺害したとされるアルカイダのメンバー、イマド・アメッド・ファーファン(Imad Ahmed Farhan)がラマディの警察署から脱走しました。その際、6人の警官と7人の囚人が死亡しました。(記事はこちら

 イラクは今年からクリスマスを公式な祝日とすることになりました。(記事はこちら

 ドイツの軍用ヘリコプターが、エジプトの船に乗り込もうとしたソマリアの海賊を追い払いました。アデン湾を航行中のバラ積船を海賊が追跡しているのを、通過中の船が通報し、ドイツ海軍のフリゲート・カールスルーエ(Karlsruhe)が対応しました。この時、海賊にバラ積船の乗組員1名が撃たれました。海賊はヘリコプターが到着する前に逃走しました。別のヘリコプターが負傷者を収容しました。(記事はこちら


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