米軍のハイテク止血剤が使用中止に

2008.12.24



 military.comによれば、米陸軍は出血を止める「ウンドスタット(WoundStat)」の使用を、さらなるテストが行えるようになるまで中止しました。

 ウンドスタットはトラウマケア社(TraumaCure, Inc.)の製品で、特殊な包帯や止血帯、その他の手法が機能しない時に、傷に注ぐ顆粒状の止血剤です。使い方は、ウンドスタットを袋から出し、出血した部位に注ぎ、手で傷口に詰め込み、傷に清潔なガーゼを当てて上から圧迫します。すると、ウンドスタットが血液を凝固させて出血が止まります。同社のウェブサイトに掲載されているトレーニングビデオを見れば、どのようなものかは一目瞭然です(後半に刺激の強い映像が含まれているので注意願います)。他にも、トレーニングマニュアルやさらなるデモビデオ(こちらはさらに刺激的です)もあります。

 ウンドスタットは合衆国食糧医薬品局(the U.S. Food and Drug Administration)による認可を受けています。しかし、傷ついた血管の上に直接的に用いると、有害な血液凝固を招く恐れがあることが明らかになりました。現在、負傷兵の生存率は90%と、かつてない高い数値になっています。大量の失血は戦闘による最大の死因で、米陸軍は10月に二つの救命用具を、従来使われていた用具と交換するために送ったと発表していました。それがウンドスタットとコンバットガーゼ(Combat Gauze)と呼ばれる包帯でした。17,000個のウンドスタットが配布されている最中でしたが、どれだけが実際に使用されたかは分かっていません。

 出血を止めるには、傷口に清潔なガーゼを当てて圧迫するのが一般的な方法ですが、太い血管が切れた場合は止まらない場合があります。そうした場合に用いる止血剤としてウンドスタットが開発されたわけです。これだけで傷が治るわけではなく、兵士は後送され、医師がウンドスタットを傷口からすべて除去し、それから傷を治療します。しかし、血液を固めるため、血管の中に入ると、そこで凝固してしまい、血液の流れを阻害してしまいかねません。そうなると、命に関わります。ハイテク止血剤の意外な落とし穴です。こうした止血剤は効果的だと思っていましたが、問題は起こるものです。顆粒のために血管内に入るのなら、ゲル状にすることになるのでしょうか。

 それから、本日は、この他にロシアが新型ミサイル「ブラバ(Bulava)」のテストに失敗した記事も載っています。目を通しておくとよいでしょう。ブラバは今月初めのテストでは打ち上げに成功していましたが(記事はこちら)、今回は自爆装置により、空中で爆破処理されました。


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